薄型ジェネレーター取説

最終更新日2021/12/21
お送りした後にいただく問い合わせ内容が大体同じ傾向なので、文字だけで見難いとは思いますが、ここにアップしておきます。

今後も気付いた点などありましたら、随時更新していきます。

簡単ではありますが、取付前に目を通しておいてください。

◆薄型ジェネレーター◆

コストを抑える為に最低限の清掃と梱包で出荷しています、基本的にはボルトオンKITですが、組み付け前に以下の点を確認して下さい。
また、出荷時には全ての部品を仮組して発送しています、発送漏れや破損防止、不具合確認のための仮組ですので、到着後は全分解してください。

スターターギア部のニードルベアリング
スターターギア裏のワッシャー
スターターギアとフライホイール間の銅ワッシャー

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これらはは純正品をそのまま同じように使用します。
スターターギア裏のワッシャーは裏表がありますのでよく注意して下さい、内径部がテーパー面取りされている方が車体内側、クランクシャフトベアリング側になります。

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マグネットローターは純正加工品の為、加工時の切削クズがマグネットに付着しています、こちらで大体は除去していますが、装着前に念のため加工時のバリを含め、完全撤去を確認してください。(画像はわざと誇張して鉄粉、バリをつけています)

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(マグネットの鉄粉は非常に取り難いですが、根気良く除去してください、ネオジム磁石鉄粉取り用粘土で吸着させると幾分か除去が楽になります)

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特にワンウェイクラッチレースとの接触面に金属クズや異物が残ると固定ボルトの緩みの要因となりますので入念に行って下さい。

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ワンウェイクラッチ取り付け用M8ボルトは付属の物をロック剤塗布の上で確実に40Nmで締めてください。
(スプリングワッシャーは絶対に使用しないで下さい)
付属のボルトと同等以上の強度(12.9)のある物以外は使用しないで下さい。
誤って過度のトルクをかけたボルトは再利用しないで下さい。
まず、取り付けるクランクシャフトの雌ネジ部の深さをチェックしてください、J/mk2純正ローター固定ボルト(M12x40)をクランクエンドに入れ、残り11mm程度までボルトが入る事を確認します。

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問題無いようであれば次工程へ進んで下さい、雌ネジ部が浅いクランクが極々稀にmk2初期にあるようです、その場合はタップで少しネジ穴を切り直してください。


マグネットローターをクランクシャフトに固定する際は締め付けボルト&ワッシャーを付属のものに交換し、150~160Nmの締め付けトルクで固定して下さい。

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マグネットローターは全て同一寸法で加工していますが、クランクシャフトのテーパー部分とローターのテーパー部の公差内の個体差により、ローターのオフセット量に個体差が出ます。
確認のため、一旦ジェネレーターカバーガスケット無しの状態でマグネットローターとステーターコイル、ジェネレーターカバーを仮組し、ステーターコイルとマグネットローターの間に1.5mm以上のクリアランスがある事を粘土などで確認して下さい。

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(製作時にはZ1000PとMK2の新品クランクシャフトを基準に寸法計測、切削して最狭部で2mm以上のクリアランスになるよう製作しています)
スラスト方向にガタが大き目に(0.8mm以上)出ているクランクシャフトではクランクシャフトをポイント側から押す等して特によく確認してください。

マグネットローター締め付け後は、必ずスターターギアが酷い抵抗無く回転することを確認して下さい、スターターギア裏のシムスペーサーのゴム部が接触して起こる軽いフリクションは問題ありません。
回転に酷い抵抗がある場合はシムスペーサを薄い物に交換するか、軽くゴム部を削って使用して下さい。
また、スターターギアとマグネットローターの間の銅ワッシャーを新品にした際もクリアランスの変化によって回転が極端に重くなる場合があります、その場合はそれまで使用していた中古の銅ワッシャーを元と同じ向き(IN、OUT側を元と同じ向き)で使用してください。
ノーマルスターターギアを流用しますが、コツを掴むまではワンウェイに嵌るのが難しいと思いますが、焦らず平置きしてゆっくり組んでください、焦って無理に叩いたりしないようにしてください。
ジェネレーターカバーにステーターカラー/コイルを取り付ける際はジェネレーターカバー側のネジ穴を必ずタップで清掃し、取付面も清掃してから取り付けて下さい。
ステーターカラー/コイルが傾いたり芯ズレすると、ステーターコイルとマグネットローターが接触しステーターコイルが断線する恐れがあります。
また、購入者様側でカットカバー製作の際は溶接ひずみが出ないよう注意して下さい、酷いひずみのあるカバーではステーターコイルとフライホイール接触する可能性があります。

ステーターコイルのハーネスは必ずジェネレーターカバー内の純正ハーネス押さえ金具で純正同様に被覆を押し潰さないよう固定してください。

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ハーネス被覆が破れてジェネレーターカバーへ導通した場合、ステーターコイルが焼損する恐れがあります。

ステーターコイルの配線は御自身で車両に合わせてカプラーの製作をお願いします。

 

レギュレータへの配線は、焼け防止のため原則として途中にカプラーやギボシは使用せず、圧着やはんだ付けで延長を行い、レギュレータカプラまでダイレクトに接続を行ってください。

 

グロメットとハーネスのシーリングは
2液性のエポキシボンドまたはスリーボンドの1211を充填するのが確実です。

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特殊な部品ですので、走行500~1000km程度で必ず上記部分の再点検、緩み、接触痕が無いか確認をお願いします。

組み合わせるボルテージレギュレーターは必ず正常に機能するものを使用して下さい、劣化して機能低下しているもの、ヤフオクなどで売られている中華製ノーブランドの安物、リプロ品などを組み合わせるとコイルが焼損する場合があります。
発電量の変化により劣化したハーネスや腐食したカプラーが過熱、焼損した例がありますので、結線は確実慎重に行ってください。
レーサーや常時ヘッドライトオフなど、消費電力の少ない車両ではステーターコイルが熱を持ちやすい傾向にありますので、連続高速走行時などは極力ヘッドライトONなど、適度に電力を消費する方がコイルの発熱は抑えられます。


また、カットカバー装着の際はカットカバー内面、溶接部の周辺にオイル滲み防止のため、薄く液体ガスケットを塗布して下さい。

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また、マグネットローター取外しの際は、ネジ込みタイプの専用プーラーを使用してください、爪を引っ掛けるタイプの汎用プーラーは絶対に使用しないで下さい。
工具の手配が出来ない方はご相談下さい。

基本的に全ての部品は今後も単品供給可能です。
転倒等で破損された際はお知らせ下さい。
2020/1/22追記 点検時の参照値です(いずれも冷間時) ステーターコイル3相間抵抗値0.2〜1.0Ω 発生電圧AC65V以上/5000rpm 計測方法はノーマルと同様です。