ストローク

若干ネタ切れなので・・・
 
コメントいただきました。
 
「初めて投稿させて頂きます。以前にも同じような投稿されてる方も居るようで恐縮ですが、ショートorロングストロークについて悩んでます。現在860ccですがロングストロークに魅力を感じてます。1015cc+st1カム位が理想ですが、過去ログでZ2ボアアップの記事を拝見し、ショートの魅力も捨て難く思ったりで・・・」
 
これ、750系に乗っている方のO/H時の共通の話題だと思います。
 
勿論、アールエスゼッツー、ナナハン、この言葉の響きに魅了されて乗っていて、ナナハンクランク以外は興味無し、ってヒトも多々居られますが、中には友人のZ1やKZ1000系に乗って、そのトルク感が正直羨ましかった、次回O/H時には66mmストローククランクを是非、って話も聞きます。(含750FX1)
 
今まで750クランクで何台か組んだけど、同じZでも違う側面が見えて面白い。
ちなみに使用ピストンはJ系用なら燃焼室との逃げ加工、Z1系用ならシリンダハイトの調整が必要になりますがよほど巨大なバルブを入れたり、過度の面研に超ハイリフトカムでも入れない限り、さして大きな問題にはなりません。
で、速いかどうかって聞かれると、ナナハンクランクで1000ccクラス、ヘッドまできっちりやると結構速いです。
多分、乗るとビックリします。
 
で、対してZ1クランクを組んだ場合のオーナーさんの感想は大体共通
 
「開けた瞬間のトルクの出方が太い、高速巡航が楽」
ロングストロークって軽快に回らないイメージを漠然としていたけど、結構上も普通に回る」
 
まあ、先入観みたいなものに左右されると言うのは否めませんが、当然ながらの感想です。
そもそも、ロングストロークだからと言うよりも、排気量が750から1000、1100まで上がっちゃうとクランクによるフィーリングの変化は事実上判らないと思います。
なにせ排気量1.4倍位になるので・・・
トルクが太るのも当たり前だし、ボアストローク比を考えると上が普通に気持ちよく回って当然なんです。
 
要するに、単純にクランクのストローク量で物事を考えるのではなくて、ボアストローク比(ストローク÷ボア)で考えないと、エンジン特性の比較にならない。
一般的な話だと、ボアストローク比が小さいほど高回転型、大きいほど低回転型です。
 
ボアストローク比で言うと、
 
Z2系が0.9062
 
Z1が1.0
Z1000系が0.9428
Z1100系が0.9103
 
で、改造車に多く見られる66mmストローククランク仕様の
1135cc、74mmピストン仕様の車両の場合は0.8919
1170cc、75mmピストン仕様の車両の場合は0.88
 
と、ここらの改造車は既にZ2よりもボアストローク比で比較して高回転型になっています。
 
ちなみにZ2クランク使って76mmピストンと合わせた場合は0.763、ZZR1100やZRX1100と同じになります。
 
結局、乗って感じるフィーリングがボアストローク比の変化によるものなのか、排気量アップによるものなのか、或いは合わせて入れた社外キャブ、カムによるものなのか、明確に比較するのは非常に困難です。
 
唯一比較出来るとすれば、Z1000J/Z1000P用の1mmO/Sピストン、70.4mmをKZ1000シリンダやスリーブを使用して組み込み、750クランクと合わせて903ccになります。
これ、偶然にもZ1のノーマルと同排気量。
乗ってみると、Z1と同じ排気量だけどやっぱりZ1とは違う。
勿論、圧縮比が少し違ったりという点は考慮しないといけないけど、750クランクを使ってのボアアップはやっぱりゼッツーのフィーリングの延長線上、Z1とは違います。
排気量が同じでも、紛れも無くゼッツー
 
もう、あとは自分の拘りと思い入れと予算がどこまであるか?ではないかと思います。
20年、30年前に比べればZ1/Z1000クランクも容易に手に入るようになったし、ピストンKITも750用は減ったけど1000用は多数ある。
O/H費用もさほど変わらない、そうなると当然ロングストローククランクをインストールする人が増えているのも納得できます。
 
自分の周りでナナハンクランク使ってる人は、別にクランク買うお金が無いからとかそう言う理由ではないですね。
そう言う人達のバイクライフ見てると、なんとなくわかります。
個人的には、やり過ぎてないナナハンクランクのZって好きです。
 
あ、勿論、某750FXみたいに750クランク芯出しピン溶接、75mmピストン、1100Rヘッドまでいっちゃったクレイジーなナナハンも大好きですが。