ザッパー系後期エンジンを油圧クラッチ仮
クラッチがプル式になったGPz750F以降のクランクケースにはプッシュ式のZ750GP以前用のカバーは形状変更でそのままでは使えないので、諸々変更。
ここらを見ていくと、元々550/650系エンジンが各部を共通設計にしているのがよくわかります。
sus304板金作業
レーサーの場合はアルミ合金A5052を使う事が殆どですが、
今回はそこそこ重量や振動発生のある燃料ポンプなども他電装類と全てまとめてマウントするのと、公道用バイクという事でsus304で製作。
一般的には、sus304で作る方が2〜3割製作コストが下げられます。
重量は3倍弱重たくなります。
ただし、sus304で作る方が板厚を落とせるものが殆どなので設計の見直しで重量増も1.5〜2倍程度にまでは落とせます。
潮時
Z、Jに限らず空冷400/550/750系もぼちぼちかなと思う事が増えてきたのがヘッドのオーバーホールの限界。
年式的に2度目、3度目の分解をされているエンジンは珍しくない。
泣かされるのはバルブシートリングのシートカット。
以前に行われたカットの精度があまり良くなかったり、腐食の進行でスリ合わせではもう当たりが出ない時に、シートカットをやり直そうにももう何度もシートカットをされているせいでシートカット不可というヘッドが珍しく無くなってきた。
何も考えずにシートカットをすると、もうバルブのセット長が出なくなって最薄のシムを入れてもバルブクリアランスが出ない…
ヘッドを新品にするか、シートリングを入れ替えるか。
そんな悩みで作業ストップする事が増えた気がします…
逆にいうと、まだスリ合わせで使えるヘッドなら、ついでだからと無闇にシートカットしないというのも長く乗る為には必要なのかも。
17インチ/改良と改悪
良い結果を願って改造するのだけど、
改造はバランスを一旦崩して、そして再構築するという行為。
やはり実行する前にはプランニングが必要。
足回りは特に難しい、1箇所変更すれば必ずそのシワ寄せが何処かに出る。
17インチ車をJフレーム無加工で製作したい、という宿題。
ホイールサイズ、タイヤサイズが決まったら、次はまずはスイングアームを決めないと次へ進めないのだけど、
アルミスイングアームは必然的にリアサスのボトムマウント位置が高くなる。
リアサスの長さをそこから決めていくにしても、次にぶつかるのはアッパーマウントの位置がフレーム側で既に決められている以上、次はリアサスの角度に無理と制限が出る。
そうすると必然的にアッパーマウントの位置を変えたくなる、所謂レイダウン作業の必要があるのだけど、
Jの場合はサイドカバー取り付けの都合上、オーナーさんはサイドカバーのカットをなるべく避けたがる。
どこに落とし所を持ってくるか?
見かける例としては、
リアアクスルシャフトよりも後方にリアサスロアーマウントを溶接、レートの低い全長の長いリアサスを取り付けて辻褄を合わせるものの、位置関係がおかしくなりリアサスが全く動かない17インチ車、これは最も避けたい。
しかしそれを避けて作れば、今度はリアサスが妙に立った作りになる。
まずはリアサスロアーマウントの位置を低く取れるハイトの低いスイングアームを選定することから、
後々の選択肢を狭めない最低条件としてスタート。