オイルで思い出したNinjaの事

ちょっと昔のカワサキ知ってる人ならご存知とは思いますが・・・
 
GPZ900Rの前期~中期型、これは本当にエンジンオイルと乗り手の扱い方に左右されるエンジンでした。
 
当時勤めていた店で、何これ??って事がよくありましたね。
 
本当に新車ワンオーナーで走行が10000kmも満たない車両、ヘッドからの異音でヘッドカバーめくると、目視で分かるくらいカムが減ってロッカーアームも点検するまでも無くスリップ面が無くなってる。
 
オーナーさんに話を聞くと、オイル交換は2500km毎に自分でホームセンターで、ブランドがそこそこ知られてい物の中で一番安いヤツの15W-50を入れていた、大事にしていたので週末に乗る前は必ず水温計の針が上がるまで暖機運転をしていた、と。
 
これ、一番最悪なパターン。
もちろん、そんな脆弱なエンジン作ったメーカーもどうかとは思いますが、
 
有名メーカーの安物・・・メーカー、ブランドが末端に位置づけているようなオイルは普通車のごく一般的な使用を前提に作られたものです。
そもそも使用用途が違う。
 
暖機運転・・・オイルとは直接関係ないですが、エンジンが水冷4バルブ化され、高回転まで回るようになったこの過渡期のエンジンは他メーカーもそうですが高回転化に対応させたレートの高いバルブスプリングとそれに伴うロッカーアームへの負担増に試行錯誤していたようです。
熱処理、表面処理の技術も今ほどは進んでいなかった時代、高回転を重視すればある程度ロッカーアームへの負担増は否めなかった、と。
故にこのGPZ900R系は暖機運転時、低回転時に負担がかなりあるようで、今振り返ってみても街乗りにしか使われていない車両のほうが圧倒的にカム、ロッカーアームの消耗は酷かったです。
元々使用条件が厳しいところへ粗悪なオイルを投入すれば、結果は見えていますが・・・
(結果的に近代の多くのカワサキ多気筒水冷エンジンはロッカーアーム式を廃止して直打式となっていますが)
 
逆を言えば、適正なオイルを入れて、高速ツーリングを主に使われたGPZ900Rでは3万、5万km走っても相応の傷みしか見られず、それが本来の姿なんだろうな、と。
 
もっとも、現代でこんな乗り手と使い方を選ぶエンジン作ったらそれこそ大問題ですが、それでも多くの人を虜にしたGPZ900Rは結果的には成功だった・・・んでしょうね。
 
こいつの弱点を全て対策して進化していったZZR/ZRX1200は10万km位は余裕の耐久性をもっています。