脅迫産業

自分も気をつけなければと思わされた。

背筋を正そう。

 

とある方のFacebookより

 

第3世代の脅迫産業に対峙するために | Facebook

 

内容が読めない方へ抜粋

 

第3世代の脅迫産業に対峙するために | Facebook
 このタイトル、意味不明と思われる方も多いと思います。最近、目に余るマスコミの不安を煽る情報操作に危機感を覚え、すこし私の考えをまとめました。

 私が研修医になったとき(40年前)、上司から教えられたことのひとつに「3大脅迫産業」というものがありました。人の不安につけ込んで成り立っているという産業で、それは宗教、教育、そして医療だというのです。医師になりたての私には、とてもショッキングな概念でした。しかし、よくよく考えてみると確かにそれぞれの産業は、すべて人の不安を解消することが動機付けになっていることに気づきました。とはいえ、どの産業も人類にとって素晴らしい価値がある一方、一歩間違えばそれこそ極めて卑しい職業になってしまうと思いました。この3つは産業としては古いもので、これを仮に第1世代の脅迫産業とします。

 時は経って、セキュリティー産業、生命保険をはじめとする保険産業、美容、サプリメントなどが数多く台頭してきました。これらも、時代的背景を背負いながら、あるいは科学技術や知識の進歩が生み出す新たな不安をネタにして生まれてきたものです。しかしこれらはまだ、必要とする一部の人にとっては一定の社会的役割や、満足感を満たすという効果を持っています。これを第2世代の脅迫産業とします。

 ところが、最近は不安そのものをネタにしたビジネスが目に余るほど横行するようになりました。特にマスコミによる健康に対する脅迫が目に余ります。「こんなに怖い」とあおるだけで、売上があがるのです。最近では、手術がうまく行かなかった体験談を1例だけ紹介して、「こんなに怖い。こんな手術はことわったほうがよい」と声高に主張します。ワクチンを打った後に出た症状は、根拠もなく副作用またはその可能性としてあおります。「可能性」と言ってしまえば、なんだって結び付けられるのです。これを「可能性脅迫」と名づけました。

 もっと巧妙な手法をネット上で見つけました。チリ産の養殖サーモンが汚染されていて危険だという情報をBlogで発信している人がいました。根拠はどこにも書いていません。このような情報は拡散され、このBlogのページビューが増えていきます。Blogにはコマーシャルがリンクされています。ページビューが増えると、広告主からの収入が増えるという仕組みです。つまり、どんなネタでもかまわないので、Blogを見る人が増えればいいのです。人はそう簡単に有名なBloggerにはなれません。手っ取り早いのは不安ネタということです。これを「脅迫Blog」と名づけました。

 そして、これらの情報の拡散という意味ではインターネットの進歩と切っても切れない関係があります。インターネットの普及を背景に、不安そのものを売ってなりたっているビジネスなので、「可能性脅迫」と「脅迫Blog」をあわせて第3世代の脅迫産業としました。

 この産業そのものは極めて不健全で悪質であり、卑しい行為であると私は思います。

 そもそも、安心ネタは関心のある人にとってのみ価値のある情報で、関心のない人はスルーします。しかし、不安ネタは関心がなくても強烈に人を引き付ける力があります。また、安心ネタには一定の根拠が必要ですが、不安ネタにはそんなものは必要ありません。安心の根拠でさえ「信頼できない」とするだけでネタに出来ます。
 マスコミも、政府も、一部上場企業であっても正確な情報を発信するとは限りません。情報化社会になり、正しい情報へのアクセスも可能となりましたが、その何倍ものノイズのような情報も増えています。言論の自由を守る以上、このような不健全な情報であっても止めるわけにはいきません。

私たちは何を根拠に選択をしていけばいいのか、とてもむずかしい時代になってしまいした。

 そんな中で私が考えている方法は以下の5個です。

1)第3世代の脅迫産業があるという認識を持つ。

2)確認できる情報源を明記していない、根拠のない情報は信用しない。
・都内で開業しているある医師は○○○だと言っている。
→それは誰だ?発言に責任を持て。
・一説によると・・・。
→一説とは??
・○○が含まれていると言われている。
→誰がどういう分析をしてどこで発表している?

3)個人の体験談を普遍化しない。
・体験談は物語としては意味がありますが、誰にも当てはまる選択肢の根拠とするには極めて貧弱です。

4)論理的な仮説と実世界の結果とは異なるので混同しない。
・加齢とともに○○が不足する。だから○○がたくさん含まれる□□を飲む。
→飲んだ結果はどうなるという事実は示さない。 あるいは事実そのものがない。

5)できるだけ一次情報(情報源)を確認する。
・チリのサーモンの話の元は、おそらく2005年のこの論文でしょう。しかし、この論文ではチリと北アメリカの養殖サーモンは他のとくらべてむしろ低い汚染濃度だと言っています。ネット社会だからこそ、このような努力は必要であり、また可能なのです。