ステンレス

今週はステンレス鋼のTIG検定試験があります。

ステンレスって言うと、バイクの改造部品やアフターマーケットパーツにふんだんに使われています。

ステンレスといっても、その中にはフェライト系、オーステナイト系、マルテンサイト系、二相ステンレスなどなどあるわけで、

実際にはそれらが組成成分によって更に細かく分類されています。

何故、純正部品にはステンレス部品は少ないのに、社外部品には多いのか?

それは勿論高価だから・・

と言うのもあるけど、実際、機械的性質ってことだけに着目すると一般的な炭素鋼と比較して錆びないってこと以外には、メリットよりもデメリットのほうが圧倒的に多い。

電気抵抗は5倍もあるし、熱膨張係数も1.5倍、
簡単に言うと電気が5倍流れ難くて、1.5倍熱で歪みやすい(ちょっとニュアンスは違うけど)

特に溶接には超神経質。

歪みがヒドイって聞くこともあると思うけど、例えば厚さ3mmのSUS304端材を、仮止めした後に本溶接すると、コレくらい反り返ってしまう、一番反り難い順番で溶接した結果がコレ。

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仮に治具で押さえ込んで溶接して、仕上がりが真っ直ぐだったとしても、潜在的にコレくらい反り返ろうってする残留応力が潜在的に潜んでいる。

結果、割れたりする。

マフラーステーなんかがステンだとすぐに折れるもそのせい。

ステンで作るとキレイでカッコいいんだけど、絶対に無理がある。

逆に、溶接性のいいアルミ(ジュラルミンはダメ)でステーを作ると、素材自体がステンレスより圧倒的に柔らかいのに意外と折れずに長持ちしたりする。

溶接性だけじゃなく、機械的性質も同様。

アクスルシャフトなんかをステンレスにするメリットは錆びにくいってこと以外には何一つ無い・・・