旧車購入

昔からZ欲しがってた後輩から連絡あり。

とあるお店に気になるZがあったので遠方ではあったけど、車両を見に行った模様。

見た目的には問題なし。

ただ、エンジンはかけてもらえなかったのでテンションが下がった、と。

よく聞く話です。

自分がバイク屋に居た頃も、

「え?値札付けて置いてあるのにエンジンかからないの?そんなの買うわけないじゃん?」

ってよく言われました。

当時、働いている側から考えると、飛び込みで来られて、こっちは作業に手を取られているのに、買うか買わないかわからない人の為にわざわざバッテリー(電源)準備して、せっかく綺麗にしたキャブとタンクにガソリン入れて…なんて出来ねぇよ、そう思っていました。

ただ…
自分がユーザー側になった今、それまで自己所有したことの無いあまり詳しくない車種でエンジンもかからないバイクやクルマを買うか買わないか?と言われると…
全く知らないお店でとなると、さすがに不安になります。

けど、現実言っちゃうと、店頭でエンジン空ぶかししたくらいでエンジンの調子なんか普通の人にはわかりません。
仮にソコソコエンジン本体はまともだったとしても長期放置でキャブが詰まってれば始動不良やオーバーフローも出るだろうし、
ステムシールの劣化でオイルが下りていれば盛大に白煙も出る。
実は古いバイクなら簡単に納車整備で直る些細な問題なのに、ここに中途半端に「自称、バイクに詳しい先輩」なんか連れて行くと、大概は中途半端な知識で話がややこしくなる。
ガイドクラックなのか、ステムシールかなんて、白煙見ただけで判断出来るわけないし。

逆に、Zだとカムチェーン、アイドラー関係がグズグズになっていても、その場しのぎでテンショナーを張りまくれば音は消えるし、酷いオイル消費があったとしてもシングルグレードのネバネバのオイルを入れてやればよほどエンジン温度が上がらない限り少々の白煙しか出ない。

結局、ZやJに関してだと、自分としては、買う、買わないの要素にエンジンがかかる、かからないはそれほど大きい判断材料にはならないと思っています。
エンジンの大物部品が欠品しているとか、組みかけで放置されてるものは危険な香りがプンプンしますが…

ドライスタートでエンジンコンプレッション測ったって、既にスカスカなエンジンでも直前にシリンダー内にオイルを入れておけば正規のコンプレッションが出るし。

結局、外観から大体のことを予測するくらいしかないですかね。

クランクケースだと、打刻字体と形式の確認、合わせ面の液体ガスケットの状況、あとは溶接修理痕の有無。
シリンダーだと、ベースガスケットの状態、新しいものか?社外品か?厚さは?重ねられていないか?等。
ヘッドだとタコ取り出し口、インマニ取り付け部の破損、EXスタッド根元の破損やEXスタッド下の肉の残り具合から面研量を見たり。

年式と異なるエンジン部品構成の車両も珍しくありませんが、売り手側がその理由を説明できるかどうか?

まあ、あとはお店との信頼関係次第としか言えないです。
それでもアレコレと疑うタイプの人は周りにも居ますが、結局何も買えないまま相場だけがみるみる上がってしまい、買えずじまいというパターンですね。

結局、その車体にピンとくるかどうか?
それだけです。
本当に欲しいと思えば、あとはもうカネ次第。
いくら探したって、この情報化社会じゃ、掘り出し物なんかまずありません。