ワンオフは高い

モノづくりに携わる事のある方ならわかっていただけると思うんですが、
ワンオフ物を市販品価格ベースで考えておられる方にはなかなか理解していただけない…

個人売買なのにぼったくり過ぎじゃない?的な事をやんわりと言われる事もあるのですが…

市販の削り出しステムセットが安いものなら10万円

ならばワンオフで同じようなトップブリッジ作っても4万円くらい、、?
とはなかなかならない

勿論、4万円で収めようと努力すれば、切削量減らしたりとかで工程抜いて行けば可能かもしれませんが、仕上がったものは市販品と比べれば随分と簡素だったり安っぽくなるのは避けられない

なんでそんな高くなるの?削るのは機械でしょ?と言われたんですが、物を作るのって削るのはその工程の一部であって、、、
削りに入る以前に採寸、デザイン(設計)、図面起こしとそちらの方がむしろ時間がかかるので、、、

つまり機械が削るだけという状態にしたいなら、自身でNCのプログラム組む所までやらないと、、

って、実際にそんな事やってくれる工場はありませんが

プログラムをミスればエンドミルが折れたり治具を削ったり、挙句はテーブルをセルフカットして機械が自殺したりと、そんな簡単なものではないし

個数をたくさん作って単価を下げてナンボの世界なので

それでも市販品は価格競争に負けじと生産拠点を東南アジアや台湾に移したりと、、、
それらと国内ワンオフ物を比較するのは酷です

なぜ個数作るとそんなに安くなるのか?
一例として板物のワンオフ品、例えばエンジンマウントプレート1枚切り出すにも、ワイヤーカットで製作するなら1枚作っても10枚作っても加工の値段(工数)はほぼ同じです

なぜならワイヤーカットだと材料を10枚重ねて一気に切断する事も可能なので、1枚作っても10枚作っても仕事としては同じ
だから原価を1/10と試算できる

ワンオフ品は高いです
でも、だからこそ出来る事や、
ワンオフだから出せる付加価値、満足度もそれ以上にあると思います