マシンを手放すとき

最近、一人の若者がMK-2を手放しました。
購入時より面倒を見ていたのですが、どうも彼の感性はいわゆるZ乗りとはかけ離れているようで、ストリートバイカーとも異なる独特の感性でマシンと向き合っていました。
愛着もあり、大事にしていたのですがその愛情が有り余るのか?
各部をCRCでベトベトにしたり、
チェーンが見えなくなるくらいチェーンオイルを吹いたり、
配線をまとめようと試行錯誤してセルモーターとウインカーが同時に動く奇怪な電気回路を作ってみたり(ウインカーの点滅に合わせてセルが回る、殆ど怪奇現象)、
アース線にヒューズを付けてみるという摩訶不思議なハーネスを作ったり、
DYNA-Sを1日でショートさせて破壊したり、
オイル交換をするたびにワッシャを廃油と一緒にに捨てたり、
止めろといったにもかかわらず某、長さ&サス受け位置&平行度の数値が滅茶苦茶のスイングアーム付けたりして馬鹿みたいに車高があがったり、
オマケにそこへ140/80-18なんていう巨大なタイヤ履かせて異様なケツの上がり方をさせて、フロントのエア圧が0.5キロのまま峠で走って「攻めてたらタイヤが溶けましたよ!」と喜んでみたり、
とにかく私の意見にはまったく耳を貸さない。

ずっと「とりあえずブレーキ、前後サスをしっかりしたものにして、それからスタイルを作っていけばいい」と助言していたのですが「どうせ俺にはわからないから」と完全無視。
ところがスイングアームを換えたあたりからまったく走行距離が伸びなくなりました。
そしてこの度、アッサリ手放す、と。

最後に試乗したのですが・・・はっきり言ってヒドイの一言。
綺麗な外観からは想像もつかないウンザリする車体。
ブレーキは低速時はカックンブレーキ、飛ばせば効かない。
前後サスは純正のクタクタ。
ブレーキかけるたびに体感したことのない変な動きをする。
特にUターン時は最悪。
リアブレーキで制御するだけでフロントまで変な動きをする。
たとえるなら250ccのオフロードバイクのへたったサスにそっくりな動き。
しかしなんでZ系用の◎VERのスイングアームはサス受けの位置とリアアクスルの位置が純正と全く違うんでしょう?
あんなにスイングアームにタレ角付いて、ホイールベース伸びたらどうしようもないです。
新品なのにアクスルの平行が前後方向、上下方向、全然出てないし・・・

そりゃあ、こんなの乗ってたら楽しくもないし辛いだけです。
売るのも納得しました。
たしかにヤフオクなんかに出てる400の足回りそのまま組んだような奇形Zはやたらと「製作後あまりのっていません」とか「乗る機会がないので」が決め台詞です。

やっぱ乗って楽しくないものには愛着は沸きません。
もったいない・・・ノーマルでもきちんとメンテしてあれば楽しく乗れるのに。

というわけでひとまずスイングアームをノーマルに戻してタイヤサイズも標準に戻します。

きっと彼の中でMK-2はつまらないバイクだと言う気持ちだけが残ったでしょうね・・・