インジェクション化後のセッティング作業

ジワジワと微増するインジェクション化車両。

 

スロットルボディのフィッティングなどお手伝いさせて頂いただけでももう20台超。

 

組付前に1番聞かれるのは、セッティングってどうやればいいのか?

そもそもマップも何もない状態で公道を走らせることなど出来るのか?

そこら中でエンストしまくってセッティングどころではないのでは?

 

という旨なのですが、

結論から言えば、アイドリングさせて空ぶかしで吹け上がる程度までガレージで確認出来れば大丈夫です。

 

確かにそこそこ仕上がった車両のマップを見ると複雑な3Dマップで、到底自分ではそんなの描けないと思ってしまうのですが、

極端な言い方をすれば燃料マップって完全な2次元でも問題ないし、ただの直線マップでもバイクは動きます。

 

あとはマップのなかでも全く使わない領域というのは多数あるのでそこは無視して構いません、

例えば1500rpmでスロットル開度100%なんて状況は実走行では存在しないので無視しても何も問題はありません。

 

難しく考えなくても、4サイクルエンジンは空燃比8:1でも回るし16:1でも回ります、理想ではなくても乗る分にはエンジンは回ります。

 

あとは乗りながら空燃比のログを取って視覚的に今の状態を確認、補正してやるもよし

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LINKなら乗りながら自動で目標空燃比に近づけてくれる便利機能もあるのでそれで8割位はセッティングも出来るし、

殆ど困ることはありません。

 

シャーシダイナモがあればセッティングも9割くらい出そうな気もしていたのですが、結論から言うと自分の車両だとシャーシダイナモで作ったマップと実走行データから描いたマップでは全く違う物になったので、あまり頼り過ぎると罠にハマってしまうかも。

 

全開域って実は殆ど重要ではありません。

ログデータを何台かの車両で見ると、かっ飛びツーリング程度では開度90%以上の領域って走行時間の1%程度かそれ以下です、

そんなはずない!と言われそうですが、実際そんなものでした。

開度20〜40%あたりのデータはやはり実走行しないと負荷の掛かり具合などが大きく影響するので、そこはシャーシダイナモでの100%再現というのは難しい。

 

気持ち良く乗るためにはやはり実走行しかデータを取る術は無い気がします。

 

特にサーキット走行では公道よりも一気にスロットルを開けたり閉じたりという状況も多く、結果的に想定よりも大きな数値がマップに入ってきたり、

加速補正の効かせ具合をかなり強めにしたりといった味付けも出てきますが、

そのあたりはキャブレターを弄った人なら感覚的に掴めると思います。

 

悩むよりも、やってみれば何とかなります。