続:スイングアーム

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ちょっとスイングアームネタの続きを。

ノーマルスイングアームはフレームと同等の素材を用いた鋼管製のごくごくオーソドックスなものです。

まあ、これがサス換えたり、マフラー換えたりするとどうも貧弱に見えてきてしょうがないわけです。

実際のところ、「ヨレてヨレてしょうがない!」と言って交換する人は稀だと思います。

殆どがホイール、タイヤの都合上、純正スイングアームじゃ収まらないし見た目もちょっとイカツさが欲しい、そんな理由だと思います。

一昔前は社外スイングアームなんて言うとウエダレーシングくらいしか国内では売ってなかったし、稀に中古並行輸入車両にJMCやモトマーチンなんかのスイングアームが付いてるくらいでした。

スイングアームをアルミの物に変えるメリットというと、まず思いつくのが軽量化。
当然、鉄よりアルミは軽いので。
しかしここが落とし穴です。

アルミは鉄と比べれば当然柔らかい。
これは誰でも知ってることです。

アルミ製は当然そのまま純正と同じ形状で作ればフニャフニャのものが出来上がります。

ただし、重さは約3倍(正確には2.9倍程度)違うので、重さは1/3のかなり軽量な物が出来上がります。

純正品以上の剛性を確保しつつ純正よりも軽量に・・・
そう考えられて様々な物が売られているわけですが、アルミ材というのは溶接時の歪が大きく、何も考えずに見様見真似で加工、溶接するととんでもない不良品が出来上がります。

当然、そんな歪だらけのスイングアームには純正品のようなニードルベアリング+スリーブという構成は真似できません。

またアルミにもさまざまな種類があり、強度は有るけど溶接性のよくないもの、溶接性はいいけど強度のイマイチなもの・・・等など、作り手の試される部分です。

結果、堂々と雑誌に広告出していながらも目視でわかるほど酷い歪のあるもの、見た目だけピカピカで剛性は純正と大差無いかそれ以下のもの、そう言ったものが普通に出回っています。

なので社外品を購入予定のある方、よくよく吟味しましょう。

オークションでやたら投売りされている某社のスイングアームがその一例です、いざ購入してみたらマトモに付かなかった、付けたら具合悪くなった、そんな理由で投売りされるのでしょう。


作り手によってはアルミを嫌い、フレームとの相性を重視してクロモリ鋼を好まれる方も多くいます。

クロモリ鋼と言うと重そうなイメージがありますが、ノーマルの鋼管と比較して遥かに強度のある素材です。(引っ張り強度での判断ですけど)
結果、ノーマルよりも肉薄に作っても剛性のあるスイングアームが製作でき、鋳物のZZR-1100D等のアルミスイングアームよりも遥かに軽量に作れます。

流用に関してですが、どうしても流用ということであれば可能な限り750cc以上のオートバイから流用したいところです。

ただ、80年代後半のスポーツモデル(初期の油冷750)等は明らかに重量車には不向きです、軽さに惹かれますが避けましょう。

400cc用でも危険とはいいませんが、車種によってはピボット部のベアリングの設計荷重が小さすぎるものもあります。

また、基本的にZ/J系はスイングアームが現行車と比較して短いので、流用した時点でディメンションは大幅に狂います。
なので明確な意図がない場合は流用をオススメできません。

前後17インチならTL1000がお勧めです。
なにせ取り付けが楽。
長さも愛称良し。