あれから3年

3年ちょっと前、私は勤めていたバイク屋を辞めました。
 
別に他に何かあてがあった訳でもない、
 
ただ、辞めなきゃならないという焦燥感に数年間追われての決断でした。
 
辞める事を決意させたのは忘れもしない3年前の4月20日、高校時代からの友人が急逝したあの日でした。
 
新婚ほやほやだったヤツが、あっけなく心筋梗塞で何の前触れもなく30歳で他界。
 
その日、明日があるさなんてのんきに考えていた自分の甘さを実感、明日が有ることが当たり前ではないことを知りました。
 
当時、30過ぎにして勤務先の年収は年金、保険、交通費差し引けば手取りで実質130万円。
 
おまけにその支払いさえ数日遅れることがザラ。
 
酷いとか理不尽を通り越して、もはや怒りと憎悪の領域に達していたと思います。
 
今だから書けますが、同業者の社長さんからも
 
「そりゃいくらなんでも酷過ぎるよ…・最低でも倍は出すからうちに来ないか」
 
というような話を数件いただきましたが、もう業界にウンザリしていました。
 
ただ不思議なもので、辞めようと思うたびに大きな仕事が入る。
 
辞めるタイミングを完全に見失っていました。
 
そんな時に親友の死。
 
すべてが運命でした。
 
 
無職で過ごすこと1年弱、全く縁もなにも無い企業へ就職、
 
通常は未経験者の中途採用などない会社でしたが、手先が器用である、という点だけを買われての採用。
 
未だ試行錯誤悪戦苦闘の日々ですが、この年にしてようやく社会人デビューした私です。
 
 
それで、よく元同業者の友達や知人から転職の相談を受けます。
 
個人的な考えですが、20代ならとにかく好きで始めたことなら結果なんか考えずに突き進むべきだと思います。
 
バイク屋で勤めたからには、バイクに関することなら修理、販売、登録まで完璧だ!ってとこまでやるべきだと思います。
 
で、30前にどうするかはっきり決めたほうがいい。
 
これからのご時世、30くらいなら転職、転業はさぎりぎり間に合うけど、正直、それを過ぎると転職はどうにかなっても転業は事実上厳しい。
 
一生この道で食っていくんだ!って気合があればやっていけますが、迷うくらいなら1秒でも早く辞めたほうがいい。
 
正直、マジメにやっても儲かる商売ではないです。
 
そこを割り切って考えられないなら、厳しい業界です。