はめあい

スプロケットキャリア、スプロケットハブ、呼び方色々。

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先日、ダイマグのベアリング抜けで対策品作る際に結構言われたのが、

「また緩んだらイヤなのでベアリングのはめあいを思いっきりキツ目にして欲しい」

ですが…

気持ちはわかります。

加工屋さんとも相談したのですが、やはりベアリングメーカー指定以上のキツキツ加減はオススメ出来ません。

ベアリングのはめあい公差に関してはNTN等のメーカーサイトでかなり詳しく参照出来るので時間ある人は見てみてください。

http://www.ntn.co.jp/japan/products/catalog/bearing/rolling/index.html

PDF形式でカタログダウンロード出来るので、iPhoneiPadiBooksアプリに落としてヒマな時に見るのもベアリングマニアにはオススメです。

実際、昔スプロケットキャリアを自分で製作した時にかなりベアリングのはめあいをキツ目に作った事があるのですが、ベアリングが明らかに短命になります。
ヒートガンでハブを熱々にして熱膨張させて、ベアリングをプレスでギコギコ入れるくらいのはめあいにしたのですが、ハブが冷えると既にベアリングの動きが若干渋い感じでした。
そんな状態で使えばベアリングの消耗は当然早いです。

はめあい寸法に関してはM6とかN7とか言う記号で表されているのを見たことがある人も居ると思います、規格で規定されているので加工屋さんと相談してみて下さい。

http://www.dck.co.jp/hameai.htm

M6とかN7と一概に言っても、旋盤屋さんから言わせればその中でもユル目、キツ目と調整できるので現物見せたり、使い方を話して決めるのが良いかと思います。
何度か作れば、前回のはキツ過ぎたとかユル過ぎたとかって話でより良いものが出来るかと…

キツ過ぎた分は追加工でどうにかなりますがユル過ぎるのはどうにもなりません…。

あとは気をつけたいのは表面処理。
着色アルマイトや硬質アルマイトで寸法が変わります。
今までいくつか製作実績があればその寸法変化を見越した寸法で仕上げれば済む話ですが、
全く初の試みなら、ベアリングの入る部分は仕上げ切削をせずにアルマイトに出して、アルマイト後にベアリングの入る部分だけを切削仕上げするのがモノづくりの手法としては正しい方法です。

実際、スプロケットキャリアにそこまで精度が要るかどうかは別の話ですが、本来はベアリングなどのシビアなはめあいが要求される部分には加工後の表面処理は行いません。

まあ、そこまで拘れば切削も二度手間になってコストも上がるので、極めたい人は加工屋さんと相談して自己満足に浸るのも趣味としてはアリだと思います。

でも、ダイマグが緩みやすいのは寸法の問題よりも単に素材が柔らかすぎるのと、肉抜きが過ぎてベアリング周りの肉が少な過ぎて変形し易いだけじゃないかなって感じがします。

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新品時の寸法は他社とそんなに変わらないですからね…

同じくマグのPVMなんかはベアリング周囲の肉厚が不必要なくらいにありますが、ポジティブに考えれば変形を恐れているのかなと。

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こいつは旧くて距離走っていても割と緩みにくいです。




こんな面倒クサイことを考えたく無い人は、マグタン買えば気にせずに済みます。

自分は旧いバイクには鋳造ホイールが似合うと信じる派なので、それでもマグ鋳造ホイール履き続けますが…

クマグスパーライトの5本中空、350-17/600-17のデッドストック品なんか何処かに眠ってないのかと夢見るこの頃です。
自分の中では鋳造中空の中では最高の物だと。
ただ、スーパーライトの名に恥じない作り故に、リムが曲がった物や、下地と塗装が悪く腐食でエア漏れした物が多くなかなかこれと言うのに出会えません。

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今オークション出てるやつは悪くはないんだけどリムサイズとフロントベアリングの外径が…