何故ビッグブロックはダメなのか。

昔からアメリカではドラッグレース用の部品として売られているビッグブロック。

馬鹿でかいピストンを入れるためにシリンダー自体をゴツい物で作り直してしまえと言う単純明快な発想。

ノーマルシリンダーブロック使ってでかいスリーブ入れればいいのでは?
と言われますが、ノーマルシリンダーの場合、各気筒間に風の抜ける穴があるため、極端に大きいスリーブを入れるとスリーブが風抜き穴を突き破ってしまうか、突き破らなかったとしてもシリンダーのアルミ部分が極端に肉薄になってしまい、シリンダー自体の強度が全くなくなります。

併せて、特にZ系の初期モデルはシリンダーの鋳型の都合上、ベースガスケット座面面積が殆ど無くなります。

そこを無視して、だったらシリンダー丸ごと作ってしまえば・・というのがビッグブロックです。

逆に上記の点のデメリットは、風抜き穴が無いので、2番3番シリンダーの冷却が非常に厳しい。

というか、実際、売られているままのクリアランスで乗ると、まず市街地走行で2番、3番ピストンが焼けます。

なので、ダメとわかっているものをあえて今回組むにあたり、それなりの策は練るつもりです。

シリンダーが冷えないのなら、とにかく熱を熱的に余裕のあるクランクケースに逃がすしかない。
ベースガスケット材質の検討と製作、接触面積の確保。

ピストンが焼けるならクリアランスの取り方を変更し、実績あるオイルを使用する。
この2点をベースに考えて組んでいきます。

あえてノーマル回帰派が多いこのご時世、積極的に消耗戦に挑みます。

組んですぐぶっ壊れたら、他人事と思って笑ってやってください・・・