目的

毎年この時期あたりから周囲にちょいちょい増える、キャブセット出ない病。

冷えていると薄すぎて回転が全く付いてこない、始動直後アイドリングしない、、

そこでAS締め込んだり、PS緩めたり、SJ上げたり、色々やっていたら今度はエンジンが暖まってくると燻ったり、ゴボゴボ言って濃すぎる、一体どうすれば良いのか?と。

話だけ聞くと、暖まった状態で調子良ければそれで良いじゃん、って思うしそう伝えるのですが、当人さん的には冷えている時に不調なのがガマンならない、と。

空燃比計付けるとわかるんですが、例えば自分のインジェクション仕様車でベストなセッティング、暖まった状態で13:1前後にしていても、冷えている時って空燃比計は15~16.5:1を指します。

まったく同じ量のガソリンを噴射しているのに、ポート内が冷えていると霧化が悪くなるのか、結果として薄い症状が出ます。

調子イマイチなのを我慢してそのまま10~15分乗ると、空燃比計は13:1を指すようになり、安定します。

で、この手のセッティングに悩む人って、考えてみると比較的若い人が多い。
彼らにこの話をしてもなかなか理解してもらえないんですが、考えてみるとこの10年来発売された大型オートバイってほとんどがインジェクション車のオートチョーク、アイドルアップ機能付きだし、クルマに至っては20年前から振り返ってもマニュアル式のチョークのクルマなんかない。

自分にはピンと来なかったんですが、そういう乗り物に囲まれて育った世代の人で、初めて乗る旧いキャブレタ車、特にレーシングキャブレタ車って、エンジンが冷えている時はチョーク機能を使うとか、手動でアイドルアップさせるとか、全く知らないわけで、
極端に言うと暖機運転という言葉は知っていてもそれが何のための儀式か?までは知らない人も中にはいるようです。

なので冷えている時に調子悪い=キャブセットが狂ってる、という発想に結びつく、と。

時代を感じると言うか、言われてみればそうかもな、、と思い、、、
歳を感じます。

逆にこの時期に、俺のはチョーク使わなくても一発始動、アイドリングも安定してるよ!なんて自慢している人も同じくで、本来のキャブセットの意味を履き違えているのかなと思ったり。

冷えている時にキャブレタ車は調子がイマイチ、これ、普通です。
どんな機械にも適切な運転温度があります…