偽装とか

世間を騒がせている大手製造業の検査や品質偽装問題。

偽装は許されるものではありませんが、まずそれを前提として…

製造業の末端で働く当事者として思うこと。

こういった偽装って、意外と現場レベルでは大なり小なり黙認されている事って多いと思います。

小さな事では現場で使う機材、車両のチェックシート、自主点検表とか。
本当にその項目をすべて規定通りやっていない、なんてのはよく目にします。

やらない理由?
そんな時間がそもそも設けられて無いし、チェックしなくても仕事に影響ないから、昔からずっとそうやってる、それがその現場の言い分でしょう。

その延長線上に品質偽装や検査偽装があるような気がします。

そもそもそんな人員も時間も確保されて無いのに、品質は高く、コストは低く、のホワイトカラーな方々の半ば自己満足的な【改善】という名目の要求と押し付けのシワ寄せの結果、そうするしか無かった、的な…

某自動車メーカーの燃費偽装の時もそうでした、他社より燃費よく、且つ安くという無茶な要求の結果が偽装するしかなかったという結末。

製造業って、本来そこまでホワイトカラーな人達が権力持ってはいけないのではないかと。
構造物一つ作るにしても、溶接もクレーン操作も出来ない人が指揮をとって工程組んでコスト計上して、上にいいカッコつける為、良い数字を出すためだけの報告ばかりして。
そりゃあ、それを繰り返せば無理は起きます。

モノづくりに於いてかつては世界各国に対して卓越したレベルを誇っていた日本も今や中国、東南アジアに追い越されつつ、いや追い越された感があります。

優れた図面を描ける人間も構造解析できる人間も日本には山ほど居ますが、現場で実際にモノを作れる人材は育てないからどんどん減っていく。

一流の製造業と言いつつ、モノ(現物)が作れなくなっていく日本企業という現実があります。

そこのギャップが、今回のような偽装というカタチになって現れてしまっているような気がしてなりません…