世界の逸品AP-RACING

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これ、実物見たことある人は少ないと思います。
APの可変レシオ機能搭載のラジアルクラッチマスターシリンダ。
実に優れものです。
可変レシオって、クラッチマスターにとって重要なポイントです。
その前に、可変レシオってなに?と思われる方へ。

簡単に言うと、レバーの支点位置を変化させることでマスターの特性を自由に変えられるんです。
たとえば油圧クラッチクラッチを軽くしようと思えばマスターのピストン径を小さくすればOK。
ただしストローク量が増えます、欲張って小さ過ぎるマスターにするとストローク量が異常に増えて、最悪クラッチが切れない、何てこともありえます。

逆にクラッチの切れをよくしようと思えばマスター径を大きくします。
僅かに握るだけでクラッチが切れるようになりますが、今度はクラッチが重い。
よく、ブレンボラジアルポンプを油圧クラッチに使う際に誤って大きいサイズを選択してしまい、ノーマルよりも重~いタッチになってる失敗例を見ますね。
なんとなく高い買い物だから大きいほうを買っておけば間違いないと思うと失敗です。
マスターには「大は小を兼ねる」が通用しないので。
どこぞの油圧クラッチKITにも、大きすぎるNISSINマスターがもれなく付いてきます、センス無いですよねぇ。

というわけで微妙なタッチを油圧で再現するにはこの可変レシオ式マスターが必須です。
支点を変えることで事実上マスター径を変化させるのと同じことになります。
カタログにピストン径12~15mmと書いてあったりして
「え?ピストンの径が変化するの?」と驚く人も多いですが、もちろんそんなNASAもビックリの技術は使われていませんのでピストン自体は変化しません(笑)

おまけに旧タイプのマスターでは不可能だったレバー位置の調整も楽々OK。

更に偉いのは、これ、ブレーキマスターシリンダと共通部品なんです。
ひっくり返してエアブリーダを逆につければブレーキマスターとして使えます。
もちろん、この機能を活かして自分好みのブレーキストロークが設定できます。

レバー形状も旧タイプのストレートタイプはやや不評でしたが、この新型のレバー形状は非常にイイですね。
自分も今のNISSIN鍛造ボディーラジアルが終わったら絶対コレにします。