訳はあります
私が作るリアキャリパーサポート、デカいのが多いです。
画像のようにトルクロッドマウント部をブレーキローター外周の外(ディスク円周上)に取り付ける物が多いので、どうしても大きくなります。
トルクロッドを、JB製やPMC製のようにもっとキャリパーサポートの中心に近い部分に取り付けるデザインにできないの?と言われるのですが、どうしてもといわれない限りはこのデカいデザインです。
別に意地になってるわけでも、材料を無駄遣いしたい訳でもありません。
リアキャリパーの固定で考えないといけないのは、キャリパーをしっかり固定することです。
固定できていない場合、キャリパーがびびって制動力が逃げてしまう、またはキャリパーがディスクに対してねじれて斜めになってしまって、パッドがしっかりディスクに押し付けられず制動力が発揮できなくなります。
で、それとトルクロッドの位置とどう関係あるの?と言われますが、関係あるんです。
キャリパーサポートの素材、厚さと同じくらい、それ以上に大事です。
キャリパーサポートの素材、厚さと同じくらい、それ以上に大事です。
ブレーキをかけたら、バイクは減速、止まろうとします。
その力が発生しているのは?
ブレーキディスクとブレーキパッドの接触面。
CP2696なら上から見てキャリパー中央、つまりディスクローターの円周上。
その力を受け止めるトルクロッドを、ディスク円周上に持ってくるのは当然ともいえます。
じゃあ、それを一般市販品のようにディスク円周上からオフセットさせて取り付けたら?
目の前にある、何でもいいです、四角いものを机に置いてみてください。
四角いものの中央を指で押すと、そのまま真っ直ぐ進みます。
これがトルクロッドをディスク円周上にセットした場合と思ってください。
で、今度は中央からどちらかにオフセットした場所を同じように押します。
すると、まっすぐ進まずにその場で回ろうとします。
こちらはトルクロッドをディスク円周上からオフセットした場合と思ってください。
同じ現象がキャリパーに起こります。
同じ現象がキャリパーに起こります。
キャリパーを回転させようとするねじれは、キャリパーサポートにねじれの力を加えることになります。
結果としてキャリパーがパッドを真っ直ぐにディスクに押し付けられなくなるため、変な音が出る、効きがいまいち、ブレーキパッドの偏磨耗、パッドが斜めに減るとか、片側のパッドだけ極端に減るとか。
あるいはフローティングブラケットの場合、ブッシュタイプならブッシュ部へねじれの力が加わることにより磨耗が進んでガタが発生したり、
ボールベアリングタイプならベアリングの寿命を縮めたり(そもそもねじれの方向に対応するようにできていないベアリングが使用されています)
あまりイイ事がないんです。
で、これをどの程度気にするかというのが問題なわけで・・・
事実、現行市販車はほぼすべての車種がオフセットした状態で取り付けられています、
スイングアームに引っ掛けるタイプのリジットマウントなどはその顕著な例でしょう。
スイングアームに引っ掛けるタイプのリジットマウントなどはその顕著な例でしょう。
結果、大概の車種がリアブレーキパッドは偏磨耗します。
メーカーだって、それが善しとは思っていないでしょうがそれよりもブラケットの小型化、軽量化、コストダウンが大事なのでそっちを最優先しているんでしょう。
ただし、ZZR1100などはブラケット部にかなり幅広のニードルベアリングを採用してねじれに対抗したりする策が取られています。
ただし、ZZR1100などはブラケット部にかなり幅広のニードルベアリングを採用してねじれに対抗したりする策が取られています。
また、ディスクの円周上にトルクロッドを持ってくるということは、一般的な車両の場合、タイヤの外側にディスクがないとトルクロッドがタイヤと接触します。
リアタイヤが180とか190とか言う時代に、その更に外側にディスクをマウントするというのはむしろ不自然ともいえます。
リアタイヤが180とか190とか言う時代に、その更に外側にディスクをマウントするというのはむしろ不自然ともいえます。
結果、私のこだわりは理想といいながらも、あまり現実的でないともいえます。
現実的でないものを、どうにかするのがカスタムだと思いますが・・。
「俺のキャリパーブラケットは理に適ってるんだぜ、フフン♪」
なんて自分勝手な優越感に浸るのもいいじゃないですか。