原因確定?

ずっとモヤモヤしていました。

何故、#3だけがピストン溶解?

何故、#3だけデトネーション?

他のピストンも危機一髪だったとか、以前から調子が悪かったとかなら納得できるんですが、

#3だけ、というのがどうしても理解できず。

他のピストンの状態はむしろ良好、お手本のような焼け具合。

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どう考えてもこれまでの調子の良さからして、その日、ブローする以前の調子の悪さ、伸びの悪さが気になります。

行きの高速ではきっちり10000rpmまで淀み無く回っていました。

勿論、もっと回りそうだけどそこは自分リミッターで抑えて乗っていました。

が、帰り道、数度のアタックでどうも伸び悩み、そして突然の3気筒。

考えてみれば、デトネーションが起こる要因は主に点火時期。

#3だけが点火時期が早すぎた、というのが正論かもしれない。

が、ご存知の通り少なくともkawasakiの並列4気筒ではシステム上そう言う事は絶対に起こりえない。

でも、そうとしか思えない。

ならば#3だけキャブに問題があり、何らかの状態でリーンな状態になり、燃焼温度が上昇し、溶けたのか?

キャブをチェックしても全く問題はないし、これまでそういった不調は一切無く、疑うには無理がある。


一応、壊してしまったことに間違いは無いんだけど、これでもキャブのセッティングなんかには一応拘ってやってたつもりだし、正直、壊してしまいながらも原因がハッキリしないまま組み直すのはそれこそ三流ショップのやるような事であって、モヤモヤしていました。

仲間内からは、

「さすがに圧縮高すぎるんだよ」とか

「そもそもJでアレだけパワー出してたら壊れるさ、デチューンしたら?」とか、

結構言われていました。

確かにこのまま新しいピストン組んで、同じヘッド組んで、じゃあ次は絶対に壊れない?って自信が無い限り、ずっと不安を抱えたまま乗ることになる。

最高速トライアルなんて、自殺行為に近いかもしれない。

って、寝る前に色々考えていましたが・・・

ふと、思いつきました。

「やっぱ、#3だけ点火時期が早かったんじゃないのかな・・・」と。

点火時期に盲点というか、死角がありました。

点火時期=点火するタイミング です。

点火系統にばかり目を奪われていました。

要するに、点火系統に例え問題が無くても、ピストン上死点位置に問題があれば相対的に見て点火時期がずれてるのと同じ。

しかも#3といえばJ系クランクで負担がかかったときに最もズレ易い部分。

微妙なズレで高回転が伸びなかった・・・と考えればツジツマが合います。

もう、速攻でJの保管場所へ行き、確かめて来ました。

結果・・・

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クランク点検棒、#1~#4まで通せません。

#3を通さなければ、どうにか無理やり通るかな・・・というレベル。

目視で見ても#1&#4をそろえた時に、微妙に#2&#3の上死点位置がずれているのが確認できました。

間違いなく、クランクにダメージが起こっていることだけは確認できました。

勿論、前回組み込み時にクランクは芯測定済みです。

やはり、違和感を感じた時点でクランクズレが起きていた物と思われます。


ちなみに、これまでバラしたJ系では、ノーマルであっても程度の差こそあれ、2~3割は同じようにズレていました。
ちなみに、上死点位置で1mm位ずれていても、オーナーさんに大概自覚症状はありません。

多少の振動も「これが空冷Zのガサガサしたフィーリング」って勘違いしてる人が多かったし、

殆どの人が8000rpm以上をキープするような乗り方はしないし、燃焼状態に多少のばらつきがあっても

「きっと、キャブがヘタってるんだろうね」くらいにしか捉えられていません。

いくらキャブの同調取っても、いくらバルブクリアランス揃えてコンプレションのばらつきが無くても、どうしてもプラグの焼けにムラがあって消えない、そういう場合は上死点位置がズレている可能性が大きいです。


で、そういうズレが私のようなハイコンプレッションなエンジンでギリギリの所を狙った仕様ではモロに逝ってしまう要因になったのではないかと思います。

ひとまず、私自身はクランクのズレに起因する異常燃焼が直接のブローの要因だと考えて次回の対策を練ることとしました。

いずれにしてもクランクの入れ替えは必至なことも確定です。

しかし手元にはピン径18mmの1100Rクランクばかり、17mmは結構お客さんに売ってしまったようで。


ワイセコ1個ももう買っちゃったし、さあ、どうしようか・・・

ポリスの新品クランク買っても、いきなり芯出しピン溶接とかってバカらしい気もするし。

ん~、ん~・・

一先ず、ガレージ主には事情を説明して時間の猶予だけは貰いました。


明日は倉庫を漁って部品発掘に励みます。