72or73

コメント欄より質問いただいていたのですが文字数制限で回答しきれなかったのでこちらにて

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圧倒的に違うのはコストでしょうか
72mmピストンを使う場合は、1000系シリンダーでライナーとブロックの程度が良ければボーリングのみで使用可能、
73mmとなるとストリート仕様でマージンを見ればシリンダーライナーは外径φ77~78程度のものに入れ替える方が良いし、そうなるとクランクケースのアッパーデッキのボーリング等の加工が追加になる
勿論、近年では72mmピストンを組むにも既にライナーとブロックの嵌め合いが良くないものが多いので、加工時にスリーブが回ったりして慌ててライナー製作入れ替えする例もかなり増えているので、その辺りも見越してきっちりやるなら72or73でもそこまでコストは変わらないとも言えるけど

ピストン価格に関してはワイセコの並行物とSOHCでは価格の差は約2倍

これに関しては物を見比べれば確かに2倍するな、と納得の部分もあるし、
別にワイセコがダメダメと言うわけでもない

最終的に欲しい馬力や使い方、予算から逆算してどちらを選ぶか?だけの話になってくるかと、、

例えばSOHCエンジニアリング製のピストンを使う人の多くは、希望の圧縮比、ボアなどが明確になっているからセミオーダー的に依頼できると言う面で使う人が多いだろうし、

ワイセコはコストパフォーマンス、長期使用の実績で選ぶ人も多い

パワーを出したいなら勿論ハイコンプな方が優位なのだけど、ハイコンプ化で生じるデメリット、リスクとを天秤にかけると、個人的にはストリート仕様では極端なハイコンプはハイリスクローリターンだと思っています

ワイセコの10.25:1なんて圧縮比を容積実測してみると到底そこまで無いのが現実で、バルブの沈んだヘッドや分厚いガスケットと組み合わせると実測値で9.6:1~9.8:1とかその程度になるのはザラで、
逆にそのおかげで汎用の点火系システムと組み合わせても普通に乗れる、デトネーションを避けられるという、ある意味功を奏する的な面も、、

上記のワイセコ72mmの修正面研程度で圧縮比約10:1~10:5:1にアメリカ製10mmリフトカムを組んだZはこちらで複数台製作していますが、ダイノマシンの数値でいうと35~38mmのキャブレターと組み合わせて絞り気味のマフラー組んでる車両で大体115ps程度、抜けの良いマフラーと組み合わせて120psあたりがほぼ個体差なく出ています

いずれも街乗り、ツーリング、サーキットで走っていますがさほど気難しさは無いかなと思います

73mmで圧縮比11:1程度、ヨシムラST2だと排気量分上乗せ+αで大体120~125ps程度は出ます、
この程度出ていればまず遅いと感じる人は居ないと思いますが、
この辺りから点火系の選択、セッティング能力次第ではブローのリスクは高まってきます
そこから更に上を狙えば、スターターワンウェイのトラブル、ミッション、クラッチのトラブルなども確率的には一気に高まります

自分なら最高速度230km/h程度で良いのであれば、予算次第にはなりますが、72mmピストンにスリーブは今後を見据えて新規製作入れ替えでpams製のESTスリーブに、
面研とガスケット厚さで調整して圧縮比は10.3:1弱程度、
カムは410クラスの約10mmリフト
あとはキッチリとクランクの芯を出して、くらいですかね。


1速でアクセルだけでリフトアップは、100psもあればZミッションのギア比なら余裕かと、、
よく誤解している人がいるんですが、1速でアクセルだけでフロントタイヤを軽々と持ち上げるのってパワー自体はさほど要らないんです、
サスを前後柔らかくしてストローク大きくして荷重移動を大きくして加速ポンプ付きキャブで急開してやるといとも簡単にフロントはリフトします、
ノーマルカムでボアアップだけしてレーシングキャブレターだけ付けた車両などだともう乗りにくいくらいにリフトはしますが、リフトするから速いわけではなく、パワーが出ているわけではありません...
極端な例だとZ400FXなどをヘッドノーマルで600~630cc+FCRにするとそれだけで余裕でパワーリフトするようにはなりますが、上の伸びは全くありません...

気をつけたいのはCRキャブレター装着車両でそういう時のアクセルのツキだけを気にしすぎてパーシャル域を濃くしすぎたり妙な改造パーツを組み込んだりしない事です
そもそも機構上、アクセルの急開への追従性は加速ポンプ付きキャブには追いつかないので、、、

パワーが130ps近辺出ていれば2速ギアでも加速中にフロントは離陸してきますが…
普通の人は逆に怖くて開けられなくなりますね

文章だけでお答え出来るのはこれくらいが限度でしょうか、