御質問

ブログって、不特定多数の方に向けて公開してます。  

コメント欄も特に制限など設けていないので、ちょいちょいコメントいただきます。

で、コメントには私宛にしか見る事のできない「内緒」って機能があるので、他の方に見られたくないコメントはその内緒機能を使って送られてきます。

その中で多いのが、車両のトラブルに関わる内容。
ショップでエンジンフルオーバーホールしたのに、その後の経過が思わしくないとか、ピストン棚落ちしたとか、まあ、そんなのがちょくちょく。

で、まあそれはそれとして、内容聞くと殆どがその作業そのものと言うより、部品の組み合わせや設定がおかしくない?というような場合が多々。

街乗り、ツーリングしかしないのに何でそんな排気量?なんでそんな圧縮比?とか。

そんな排気量あるのにキャブと点火系そんなの付けてるの?とか。

そこを聞いてみると、大概はショップの人に勧められてとか、どこどこのブログで絶賛されていたからとか。

で、他に気になるのがエンジン組んだらそれで終わりって思われてるケース。

組み付け後、慣らししてからカムチェーンテンショナー、タペットクリアランス、すべてノーチェックって人が意外と多い。
全てノーマル部品でくんだならそれでも良いとは思いますが、少なくとも排気量や圧縮比を上げたような改造を施されているならそれなりの調整や点検は必要ですが、それを怠ってそのまま重大トラブルに繋がるような事も。

もちろん、私が組んだエンジンでも、うっかりミスや見逃しで、点検してそこを発見、早期発見で良かった…何て事も実際あります。

あとはエンジンでホントに疑問なのが、街乗り仕様なのにやたらハイコンプレッションな仕様を作っている人が多い事。

ピストンの圧縮比ではなく、圧縮圧力の事です。

Jやゼファー1100のメーカーマニュアル値で大体13kg/㎠が上限。
(ブラウザによっては単位がkg/?と表示されるかもしれませんが、"kg/平方センチ"の事です

そこへ向けてコンプレッションが16kg/㎠だとか17kg/㎠だとか言うエンジンを組んで、乗り難いとか、Z系クランク仕様の車体でスターターワンウェイがすぐダメになるとかマグネットローターのテーパーが滑るとか。

エンジンコンプレッションって、未だに高けりゃエライと勘違いしてる人が多いですけど、逆の言い方すればハイコンプレッションのエンジンは猛烈に抵抗のあるエンジンって事です。
 
例えばJのノーマルピストン径が69.4mm、そこに13kg/㎠の圧力がかかると、ピストンの受けるチカラは概算でストントップがフラットだと仮定するとピストン表面積37.8?㎠×13kg/㎠=491.5kg

これをボアアップして75mm、コンプレッション16kg/㎠と設定すると、上記の計算で得られるのは706.5kg

これだけピストンが受けるチカラが変わります。
もちろん、燃焼室も同様。

そのしわ寄せはスターターワンウェイ関係にも来るし、クランクシャフト、コンロッドの各ベアリングにもきます。

使いもしないパワーを得る為に、大枚叩いてわざわざエンジン寿命を縮めるような仕様で組む、その意図が自分には理解不能というか…

勿論ある程度まではハイコンプもパワーアップに繋がるので、イグナイターいじくって点火時期上手く設定してやればノーマルでは得られないパワーが得られますがココもノッキング恐れてバカみたいに点火時期をリタードさせれば結局何の意味もないハイコンプエンジンになります。

何を信じるかはオーナーさん次第だし、正直、他人のバイクの調子が悪かろうが自分には関係ないので興味ないんですけど。

どんなベテランメカニックが組もうが、高価な金属表面処理をしようが、基本設定に無理があれば結果は同じです。

誰が組もうと、物質の融点、熱膨張率は変えられないし火炎伝播速度も変えられません。

世の中には色んな人が居ます。
バイク業界に限らず。
実績もないのにネットで得たうわべだけの知識で持論をゴリ押しして、いざ問題が起きればのらりくらりと後付けの理由で言い逃れして、とか。

私は自分が全て正しいとか、自分以外のやり方が間違っているとか言うつもりは毛頭ありませんし、他所で起きた実例を名指しで晒しあげてお祭騒ぎしようなんて気もありません。

自分が試した範囲でしか判断出来ないし、過去にはセルモーターもろくに回らないようなハイコンプレッションなエンジンも作って乗りました、壊しました。
もっと恥ずかしい壊し方をした事も何度も。

だけど、知らない人のエンジン、見た事もない車両の状態をメールやコメントだけで「どう思いますか?」と聞かれても、
「見てないのでわかりません」
としか言えません。

なので、わかりません。

これが回答となります…すみません、詳細はまた直接メッセージします。