気合い。

先日の1000Rズレクランク。
 
復活・・・
 
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と言いたいところですが、納期を問い合わせたところ、
 
「年内ギリギリかな・・・いや、来年になるかも。でも、もし検品してみて他にマズイ部分あればもっと延びるよ」
 
との事だったので、自分の諸事情により時間が無いので、とりあえず自分用に準備していた同じくポリスベースのリビルトクランクと交換。
 
よくリビルトと言うと誤解されるのですが、あくまでも中古品です、Z/Jクランクのシャフト自体がベアリングインナーレースを兼ねる構造上、新品にはなりません。
ステムベアリング交換で言うなら、ローラー部分は換えるけど、アウターレースはそのまま再使用するのと同じ理屈です。
ベアリング入れ替える事にやたらムキになっている人も居ますが、ラジアル方向のガタが規定値内なら下手にいじくらないほうがいいです。
勿論、回転物なのでステムベアリングのようにガタガタになっているわけではありませんが、使えば減る、それが機械です。
 
アフターマーケットで手に入るベアリングが必ずしも純正品と同様のクオリティーとは限りません。
サイズさえ同じなら同等品、ってワケでもないのがベアリングの難しいところ。
マッハなんか弄ってる方はご存知かと思いますが、海外で売られているクランクのリペアキットに入っているベアリング、中国製の出来が酷いのもあります。
 
工業製品を取り扱いの方ならご承知の通り、中国には日本のベアリングメーカーNTN、NSK、NACHIと同一の刻印を打った模造品も多数出回っているので、出所わからないベアリングをわざわざ入れたくないのも本音です。
 
ピン溶接に関してもイロイロな意見がありますが、ズレるとわかっているものを無対策で組むと言う選択肢は自分には有りません。
溶接といっても圧入したピンのツラをTIGで表面を流すだけなので、熱による変形はほぼありません。
(ちなみに、この溶接をやっていてもピストン溶解やバルブ落ちでコンロッドが曲がるような強い衝撃が加わると溶接部分は割れて分離します、その程度の浅い溶接です)
 
気になるフレですが、このクランクでもっとも大きいフレ部分、センターベアリングレースの位置で約0.035と純正新品とあまり変わりありません。
プレスで押せばもうちょっといい数値出るかもしれませんが、押して動かした分は乗ってるといずれどうせ戻ってくるので、弄りません。
中古で調子いいエンジンから降ろしたクランクでも同部分のフレが0.1くらいある事は珍しくないのが実態ですけど・・・。
 
ピストン/シリンダはボーリング完了。
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両サイドOリング無の1100Rのシリンダに73mmシングルプラグ専用ハイコンプ鍛造で。
 
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フラットな部分がほぼないのは、加工済みの燃焼室形状との兼合いです。
 
シリンダに1100Rを使うのは、0.5mmのボーリングで済むし、スリーブ肉厚もたっぷりだから。
 
旧いシリンダベースにでかいスリーブ入れて76mm、1200cc、圧縮比8.8~9:1位で行こうか迷っていたんですが、そうなると以前作ったヘッドとカムの兼ね合いの問題が出てくるので、こちらで。
 
ここらクラスのハイコンプになると、キャブと点火までキッチリ見られる人でないと、本領を発揮する以前に絶対ブローさせます。
そんなハイリスクな作業を、ショップ任せにすればいいや・・・と考える位の人はここらの領域に手を出さないほうが無難です。
極端な仕様になるほど、季節や標高の変化にも凄く敏感に反応します。
そのあたりはこの車両のオーナーさんは得意とするところなので・・・大丈夫でしょう、きっと。
 
並行してまた誰かがクレイジーなものを・・・
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76mm、1200cc、圧縮比12.5:1らしいです。
GPzヘッドに460カムと組み合わせるらしいです。
「壊れるよ、多分ね」
だそうです。
 
まさにハイリスクハイリターン、これこそ大人の遊びでしょう・・・。
 
 
いかん・・・もう4時だ、寝なければ。