Z1100GPエンジン。
 
シム調整完了し、バルタイを再確認。
 
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勿論、カムホルダは都度シャコマンで固定し、ヘッド雌ネジの傷みを防ぎます。
 
タペットクリアランスは現状最小箇所で0.19、最大箇所で0.22なのだけど、とりあえず今回はこれでいく。
 
ちなみに社外カム使用時は必ず各気筒上死点時で測定する。
 
サービスマニュアルになる方法では正確に取れない。
 
カムはヨシムラST2、1166cc/10.25:1エンジンには少し大人しめだけど、相性はいい。
 
バルタイは一先ずIN-LC107°EX-LC108°になったのでこれでよしとする。
 
ピストンに粘土を盛って仮チェック。
 
イメージ 2
 
深さも径も、リセス余裕ありすぎ・・・・
 
特に排気側は殆ど粘土にあたってない。
 
これだけマージンあれば、面研したり、バルタイいじってまだまだ遊べる。
 
けど重要なのはこの安心感を目で確認しておくこと。
 
これだけ余裕あるんだ、と思って乗れるのは物凄い精神的アドバンテージ。
 
「当たるかも・・サージングしたら即ブローかも・・・」と冷や冷やしながら乗るようじゃ、回すに回せない。
 
これで後は本組みに入れる。
 
ここまで、長かったな・・・
 
やはりリーマンしながら並行作業するのって効率悪くて大変。
 
 
 
 
 
よく社外カムで「マニュアルが無いからバルタイがわからない」というメカニックが居るけど、一先ずはLC値を純正基準から持っていけば大きく外れることは無い。
 
LC=ロブセンターの略、カムの作用中心角度。通常の対称カムなら最大リフト点になる角度。
 
Z/JならLC108°基準で±5°調整すれば大体ベストポイントは見つかるはず。
 
但し、INのLC値がEXのLC値と同じ事はあっても、超えることはまず無いので注意。
 
IN-LC105°EX-LC110°
 
これは可能性としてありだけど、
 
IN-LC110°EX-LC105°
 
はまず無い、理屈はわからないけど実際試せばわかる、回るけどパワーが全然出ない。
 
世の中の可変バルタイ無しエンジンではほぼ例外なく共通してこの理屈が通じるので、きっとエンジンとはそう言うもんなんだろう、と勝手に納得している。
 
で、バルタイいじってエンジンの特性を変えていくには、 単純に高回転型ならLCの数値を減らしていく。
 
要するに吸気を早めて、排気を遅らせる。
 
勿論、その分バルブとピストンのクリアランスはどんどん厳しくなる。
 
ちなみにJの純正は
IN-LC105°EX-LC105°
 
GPz1100とかZ750FX1は
IN-LC110°EX-LC110°
 
ゼファー1100は
IN-LC100°EX-LC103°
 
まあ、似たり寄ったり。
 
 
純正値を基準にすれば、まず大きくは外れない。
 
例えば今、組んだZ1100GPはIN-LC107°EX-LC108°
 
これを更に上で伸ばそうと思えば、IN-LC100°EX-LC100~105°とかに持っていくと考える。
 
勿論都度、バルブとのクリアランスは要チェック。
 
しかしこれまた理屈だけでは上手くいかない、結局乗ってみないと良し悪しがわからない。
 
 
ちなみに以前見せてもらった日産ワークスのハコスカGT-Rのレース仕様エンジンマニュアルでは、S20エンジンはIN-LC94°EX-LC94°のセッティングになっていて、えらく挑戦的なバルタイだな、と驚いた記憶がある。
 
 
あ、あとカタログスペックとかからLC求めるには、例えば
 
IN-BTDC22/ABDC52
EX-BBDC60/ATDC20
場合によっては
IN-22/52
EX-60/20と表記するメーカーもあるけど、
 
これの吸気LCは
 
22+52+180=254
254÷2=127
127-22=105
LC=105°になる。
 
排気も同様に計算すると、110°
 
わからん!ってなった人は、バルタイを360度グラフにして考えるとわかりやすいです。