バイク屋さん

会社の若者やその他後輩、バイク好きが多いです。
ジャンルはバラバラですが、中古車買って好きに改造して・・・
 
楽しそう。
 
 
時たま、バイク屋まで引き取りに行くから乗せていってください、なんて言われてクルマで送っていくんだけど、
バイク屋さんもほんとピンキリ。
 
クルマのディーラーばりに教育された接客、整理整頓されたショールームに工場を備える個人経営店もあれば、
 
挨拶もロクにできない従業員、トイレは息を止めないと入れない臭気、ショールーム内に工具散らかして、油まみれの手でお客の預かりバイクを油べたべたのまま納車するような店もあり。
 
中にはこんな梅雨時期に、ウエス1枚だけかけてエンジン腰上ばらしたお客の預かり車両を軒先に放置しているところも。
 
 
昔、自分もバイク屋で働いていたから、片付ける余裕が無い、預かり車両を置くスペースが無い、そういう言い分はわかるんだけど、
一時的ならともかく、そういう状態が慢性的に続くようなところって、経験上、あまりイイ仕事をしない。
 
勿論、整理整頓とか、清掃とか、そう言うのが出来たからってウデがいいとは断言できないけど、そういう意識の差って必ず実作業に現れてくる。
 
いい加減な人が組んだエンジンって、後から見ると本当に「何でよ?」って思わされるようなやっつけ仕事している場合が多い。
 
変形したドエルピンの再利用、硬化したOリングの再利用、指定外の強度のボルトの使用・・・
 
結局、部品頼み直していると作業が数日遅れる、でも時間も場所も待っている余裕が無い、早くとりあえず組み上げたいから外から見てばれない部分だし、まあいいか、そうやってエンジン閉じてしまう。
 
あとでアレコレ言い訳するけど、結局、時間と作業場所計画を上手く練れなかったのは自分のせい。
 
エンジンだけに限った話じゃないけど。
 
極論言うと、店の軽トラのドアノブ付近が手垢と油まみれで真っ黒でも気にしないってお店は、
もしかすると作業するときにもそう言うノリで作業している可能性がある・・・かも・・・しれない・・・と。
 
 
って、ある意味、昔の自分にもそう言う状況に追い込まれていた時期があったな・・・と反省しています。
 
あの頃のことを思い出すと、本当に自分の中で限界というか、マトモに周りが見えていなかった気がします。
 
とにかく次から次へと仕事が来る、
 
本当に寝る時間の確保が大変、
 
なのに全然利益が無い。
 
思い起こせば何も考えずに仕事を安請負したり、無計画に目の前の事だけを追いかけている。
 
結局、儲からないから妙な仕事を安請負、てこずって時間だけ浪費、そして儲からない、だからまた仕事を安請負して・・・の負の無限スパイラル。
 
散らかった工場で不安全状態で仕事をするから怪我や火傷も絶えない。
 
完全に負け組み突入パターンで仕事をしていた気がします。
 
 
あの頃、よそのお店や車屋さんが、始業前に職場や職場近辺の掃除や草むしり、ゴミ拾いしてるのを見て
 
「ああ、ヒマでやる事ないんだろうな」
 
なんて冷めた目で見ていましたが、
今になって思えばそういう行動も長い目で見れば仕事の効率向上化につながる第一歩、基本だったんだな、と。
 
特に工場は定期的な床の塗り替えやシャッターの塗り替え、看板の清掃、切れた電球の取替え、これって作業者として基本なんだなと今になって思い知らされます。
 
多分、今現在追い込まれている作業者さんからすると
 
「んなこと言ってられねーよ、そんな余裕ねーよ」
って言われるだろうけど。
 
今、私は製造業に従事していますが、やっぱり仕事の早い工場、イイ仕事をする工場は規模の大小に関わらず作業を中止してでも定期的な工場内の設備改善、修理をきっちりこなしています。
 
床を塗るために機材を動かせば、なくしたと思っていた道具や部品が出てきたり、
 
より効率のいいレイアウトに変更できたり、
 
デッドスペースを減らして新たな作業スペースを確保できたり、
 
一時的には時間、金銭ロスしても、長い目で見れば結果的に効率があがる。
 
一見関係ないような事でも、結局はどこかで関連性があると思います。