Z1000J系エンジン

最近、立て続けにJ系エンジンについて同じような問い合わせがあったのでかるくまとめて書こうと思います。
 
クランクシャフトの互換性に関して
 
Z1000J/R/P/Z1100GPは全年式互換性あり
 
Z1100R/GPz1100はピストンピン径が18mmへと1mm拡大されたため上記モデルとは互換性なし
ただし寸法的に異なるのはピストンピン径のみ。
 
シリンダの互換性に関して
 
全年式、全モデル無加工でどのケースにどのシリンダを載せることも可能
1000系ケースに1100系シリンダでもケースアッパーホールの拡大加工は不要
ただしZ1100R/GPz1100はシリンダスタッド部のOリング4個が廃止になりオイルリークをヘッドガスケットで止める構造になっているためヘッドガスケット注文時には要注意。
 
ボアアップの許容値
 
一般的には1000系シリンダは73mm
1100系シリンダは75mm
ですが、稀にスリーブが割れた例や変形した例があるので
慎重派の方はマージン見ればもう1mm小さめに考えて72mm/74mmと考えておく方が無難かも?
改造は自己責任で。
 
 
ヘッドの互換性に関して
 
Z1000J/R/Pは全年式互換性ありますが、純正オイルクーラー使用の場合は初期J系ヘッドで後部フィンが多いタイプのものはオイルホースとフィンが接触するので要確認&対策。
他には数は少ないですが1000系の一部年式、LTD系モデルに、Z1系同様に排気側カムから回転数を拾う機械式タコメーターの車種もあり。
カムシャフトはJ系で全4種有り、カムに刻まれた溝の本数で識別可能。
また1000系でも燃焼室形状に2種類ありですが互換性はあり。
上記ヘッドをZ1100GPインジェクション仕様に使用の際は、要センサー取り付け穴のドリル&タップ加工。

Z1100R/GPz1100は燃焼室形状がまた更に異なり、バルブ径も異なるのでどうしても1000系ピストンに流用の際にはピストントップ形状との兼ね合いをよく検討の上で加工が必要。

他はまた後日暇なときに・・・

ちなみにアメリカ人がGPz1100という時には、日本人でいうところのZ1100GPを指すことが多いです。