回想

自分の5年前の過去記事を読んでみた。
ちょうどバイク業界を去る間際。
 
行き詰まってました。
いや、生き詰まっていたのか。
結局、自分達の方向性が世の流れに合っていなかったんだなと今になって再認識。
 
ちょうど10年位前から、改造って言葉は消えてカスタムと言う曖昧な表現が横行して、
いつの間にかカスタム=カタログショッピング感覚になっていた気がします。
 
PMCとサンクチュアリとACTIVEとPLOTのカタログから部品を選んで、どう組み合わせるかだけの作業みたいになってきて。
せめてものウデの差の見せ所といっても、社外部品同士の相性の悪い部分や干渉する部分をどう処理するか、程度。
それでも予定外の加工に費用がかかれば、ユーザーさんは面白くない顔をする。
せめてブレーキホースくらいはイイ物をこっちのセンスでキレイにまとめたい、とかあってもなかなか。
 
不況真っ只中の地方都市、部品選びも安い物から順番に・・・
ようやく見積もり出来上がったら、「これ、PMCのデモ車になっちゃうよ?」みたいなのばかり。
 
カタログショッピングでどこでも見積もりだせるから、結局一番安かった他店に依頼。
不具合出たときだけ匿名電話で修理の問い合わせ
(ナンバーディスプレイで相手が誰だか思いっきりわかってるけど、こっちもそれなりの大人の対応)
 
Zのレストアなんかもそう。
いつの間にか
フルレストア=黒物部品はパウダーコート
後は全部リプロ品で。
「エンジン?レースやるわけじゃないからいいよ、俺もうジジイだし、乗れればいい、オイルなんか減ったら足せばいいだろ?」
そう言うのやりたくないな・・って仄めかしたらやはり他店で作業。
出来上がったものを見たら・・・まあ、確かにキレイだけど、ただそれだけ。
 
で、結局しばらくしたらヤフオクに出品されてたりするのが大体のパターン。
 
当時はそう言うのにウンザリして皮肉っていたけど、結局俺はそこで1円も儲けられずに逃げ出したんだから、
間違ってた、浅はかだったのは自分か・・・、と今になって気付く。
今思えばそれでも一応自分のところに話があったのは多少なりとも信頼があったからだろうし、
常連さんがどこかで口をきいていてくれていたのかも知れない。
下手すると常連さんの顔を立てられなかったこともあるかもしれない。
最悪です。
 
今現在、出先でリプロパーツやボルトオンカスタムパーツだけで出来たようなZやローレプ見る事もそう珍しくない。
結局、それが世に受け入れられたって事実。
そしてまた当時と変わらず、見た目だけなんちゃってフルレストアを掴んでしまい、泣いている人が居るのも当時とは変わらない。
それがいいとか悪いとかじゃなくて、変わらない流れだったって事。
 
やっぱり俺は向いていなかったんだな・・・