Z1000Jインジェクション今後

インジェクション化して乗り始めて実質1年以上経過、走行距離6000km程。
 
大きなトラブルは出ていません。
サーキットでのタイムはTMR40時代と同じ所まで来ているし、最高速度等変わらず且つ燃費は向上しているので、細かい数値は抜きにしても実質的にほぼエンジンの性能を引き出すと言う点では間違った方向には進んでいないと思います。
 
当初記事に書いたとおり、狙いはあくまでも「様々な仕様のエンジン、マフラーに対し燃料噴射と点火タイミングのセッティングを容易にする事」です。
 
未だに誤解されるのですが、多くの人がインジェクション化でイメージするような
「空燃比、吸気温度、大気圧、ヘッド温度をフィードバックして常に最適化した燃料を噴射する」
これとは根本的に異なります。
 
そしてこう書くと、SP-TDCでは外気温が変わったり、大気圧が変化したら乗れないのか?と言われるのですが、そんな事はありません。
とりあえずは乗れます。
 
だらだらと書くとなおさら解りにくくなるので良いところ、これからの課題を箇条書きにすると
 
SP-TDCの他社製ECUと比較して良い点
 
・取付が非常に容易、カムセンサーなど不要、バキュームホースとクランク角さえ拾えればあらゆる車種に装着可能、取付からエンジン始動まで実質1日かからなかった
 
・日本製なのでトラブルの際のサポートも当然日本語のやり取りで日本時間で可能
 
・センサー類の数がキャブ仕様車と変わりない為、ハーネス類が簡素で古いバイクやNKバイクでも装着時の外観に違和感がない
 
・簡素故、実質的にツインプラグのキャブ車と消費電力に大差ない
 
実際に使用してみて感じたこれからの課題
 
・始動時のアイドルアップ機能がない為、夏場はどうにかなるが冬季の始動に難あり、クランキング時の増量は出来るが冷間時のアイドリング時のみ増量というような事は出来ない
(実際の始動では冬場ではV120の手元のコントローラーで始動時のみ燃料を増量して対応
インジェクション仕様ということもあり、同系列車種のオーナーの目の前でエンジンをかけるときになんだかスマートでないのでかっこ悪い、時にはバカにされる)
 
・加速ポンプ付のキャブ(TMR/FCR)と比較するとレスポンス、急開時の加速性能は物足らない感は否めない
但しこれはTMRと比較しての話で、CRと比較すれば違和感は無いと思うが、せめてTMRと同等ではあってほしい
 
・気圧変化によるセッティングのズレが非常に気になる、気温に関しては1日に20度も30度も変わる事はないので大きな問題は無いが、中国山地を駆け抜ける人には珍しくない、1日に高低差1000mと言うようなツーリングコースだと、正直辛い。
 
この辺りは購入後何度か問い合わせしてみたのですが、一応、紙ヒコーキ。さんのほうでも認識されていて、対策を検討中との事でした。
ここまでのモノを作る技術のある方ですから、おそらくは色々と案は練られている事と思いますし、こちらの意図が上手く伝われば上記のような課題はさほど難易度の高いものではないのだろうと思います。
ただ、なんだか猛烈に忙しい様で・・・(笑
 
V140買わないの?とたまに聞かれるんですが、既にV120使っている自分からするとあえてココで買い換える必要性が無いと言うのが正直な気持ちです。
重宝しているツマミ式のコントローラーが無くなってしまうのはむしろ自分にとってはマイナスだし・・・
 
逆に言うと
SP-TDC V140
これに
有線タイプのツマミでの可変抵抗を用いたコントローラー
アイドルアップ/チョーク機能
大気圧補正に準ずる機能
加速ポンプ的擬似噴射
 
が装備されたら、即買いです。
 
そして後は後回しにしているハード面での課題。
今は07'のZX-10R用を使っていますが、これって容量的に少なくともノーマルの約180psに対応しているモノです
今はこれをマップ上で全噴射の8割程度の噴射時間で使っています。
何か変ですよね、明らかにそこまでパワー出ていないのに、妙にマップ上ではインジェクターが開いている。
しかし空燃比を見てもさほど濃すぎるわけでもなく、燃費から考えてもキャブ時代より良くなっているのでどうも供給されているガソリン量に大きな問題は無い模様。
 
しかしここでノーマルが125ps程度の08'Z1000用インジェクターを装着すると・・・
マップ上で目一杯濃くしても薄すぎて回らない。
燃圧不足?かとも思い、プレッシャーレギュレーターの圧力を見ましたが圧力降下はさほど見られない。
とはいっても8000~9000rpmで走りながらの目視ですから、圧力ゲージの針は結構振れています、絶対正確に読めたかと聞かれると絶対とは言えない。
 
今は結果論でとりあえずZX10Rインジェクターを使っていますが、やはり理屈で考えると不自然なのは気持ち悪い。
帰ったらもう一度Z1000インジェクターに交換してこの辺りの原因を探りたいと思っています。
 
まあ、色々書きましたが、結果的に自分は乗っているし、現状でV120を外したいとは思いません。
少なくとも導入の目的だった
「様々な仕様のエンジン、マフラーに対し燃料噴射と点火タイミングのセッティングを容易にする事」
に関しては満足していますし、同じ事考えている人には是非試してもらいたいです。