薄型フライホイールの件

予想外の問い合わせ数に驚きつつ…

記事の更新は止まっていますが、現在加工屋さんでカワサキ純正のスターターワンウェイ周りがボルトオンで付くように旋盤加工中です。

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で…
この手法、既に関東圏のショップさんで2件実践されて実走もされているみたいです。
ただ、スターターワンウェイ関連は私が選んだ物と同じかどうかはわかりません。

現在マグネットローターはJ/MK2と同一のテーパー径、角度を持つ近年のスーパースポーツ2車種の物をベースに加工を進め、最終的にどちらにすべきかを決めようと思っています。

これに辿り着くためにどれだけ投資したか、想像力豊かな方は想像して笑ってやって下さい…
なにせ高年式のモデルだけに中古品なんかない、借りれる物でもない、逆車だったりすると部品価格もマグネットローターは1個2~3万円超。
これをアタリが出るまで買うという馬鹿げた行為、ハズレだった物は高年式の珍しくもない消耗品でもない物だからオークションでも二束三文しかつかない…だから売ってもしょうがない、と。

マトモな人間のやることでは無いです…

当初は手っ取り早くJ系の純正マグネットローターの中心部を切り出して、薄くて軽い近年のスーパースポーツ系のマグネットローターと合体させようと思ったんですが、これが技術的に難しい。
何せローター径が120mmとすると、クランクが10000rpmの時のローターの周速度は約230km/h。
しかもこれが急な加減速を繰り返す…更に無負荷ならともかく、かなり強い磁力でコイルを引き寄せている為、負荷も大きい。
加減速、ブリッピング時には瞬間的にはとんでもない力(G)がかかります。
Z1系の鋳込みマグネットローターが経年と共に分離、剥離してしまうのもわかります。
中途半端な合体方法じゃ、耐久性に不安が出るし、万が一走行中にバラバラになってカバーから飛び出したら大惨事。

マグネットへの熱影響を考えると溶接はなかなか難しい、かと言ってボルト結合やリベット結合では強度に不安がある。

溶接しかないか…と鉄鋼業に携わる知人が試みるが、これも苦戦。
確実な溶接を考えると、F.P.溶接でニコイチにしたい。
(F.P.=Full Penetration=完全溶け込み)

F.P.溶接も片面開先でギャップ(スキマ)取ってTIGで裏波溶接すれば入熱量も少ないかと思えば、ギャップのせいで治具で固定していても微妙に芯ズレが起きてしまう。
芯ズレって言っても、目で見えるようなレベルじゃないけど、何せ周速度230km、僅かなズレでも振動の要因、クランクベアリングの負担になる。

ならばとF.P溶接でもギャップをゼロにして裏堀り施工の両面溶接にしてやったらどうかと試みるも、やはり残留応力のせいか微妙にブレる、要バランス取り。

まあ、基本、こういう加工って溶接後の機械加工が基本だからしょうがないんだけど。

で、仮にこれでうまく行ったとして、再現性あるのか?という疑問に辿り着き…

転倒で壊すたびにこんな事を都度やるのかよ?って話になり…。
あとは耐久性の裏付けが取れないのも躊躇したポイントで、例えばあなたのバイクのフロントブレーキディスクやフロントホイールを溶接でニコイチすると考えてみてください、強度の裏付けなく全開で走れますか?と聞かれて、裏付けなくは乗れないと思います、ダメだったってときは少なからず惨事が起きます…

容易にローターがあと10年は手に入って、且つトラブルの時にすぐ代品が準備出来ないと後々面倒じゃない?みたいな話になり…

で挫折していました。


そして10月、本業で横浜出張に行ったわけですが、そこでお会いした方、遊んでくれた方から驚愕の事実。

こっちじゃ詳細わからんけど、こんなのやってるお店あるけど?

みたいな…………

そこで具体的な流用車種や年式はわかりませんでしたが、とにかくテーパーが合う車種が存在することを知り、あとはひたすらそれっぽいのを買い漁ること1ヶ月、ようやくたどり着きました。

というわけで、自分が閃いたネタではありませんので、気になるぜ!って方はそれっぽいキーワードでGoogle検索しまくってみて下さい、意外とヒント出て来たりします。

何か…
他の人が発見したネタを、あたかも自分の発見のように言っちゃったり自分マンセー的なブログ書いたりするのもイヤだし、そういうのやるニンゲンと同じ括りにされるのもイヤなので、先に宣言しておきます、これやってる人、すでに居ます!やってるお店、既にあります!

でも自分の苦労と投資は安売りしたくはないので、とりあえず今日はこの辺で。

まだ、実際組んでみないとわからないこともあるし。