インジェクション限定ネタ

V120のセッティング方法について聞かれたので、一応、自分が色々やって簡単だと思った方法を…

基本画面


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燃料のマップが下側ですが、1000rpm時のボリューム数値が1、噴射時間20μsと異常に短くなっています。

もちろん、この状態ではエンジンもかからないし乗ることもできません。

実際のセッティングマップでは、ここはボリューム数値25、噴射時間500μsです。


なのに何故こんな「噴射時間20μs」に絞っているのかと言うと、
この状態で、手元のコントローラーでボリュームを24ほど増量して乗る為です。

通常、V120の手元のコントローラーでは増量は出来ても減量は出来ません。
何故なんでしょう(笑)
薄い方向に振れるようにするとブローの可能性があるから…かもしれません。

でもそれじゃやはり不便。
そこで元々薄いマップを描いて、コントローラで増減できるようにしています。

例えばこれで走って、ボリュームを減らしていけば、どこまで燃料を絞っても巡行できるかが走りながら確かめられます。

絞りつつ、そこからがば開けしてもついてくる噴射時間を探ります。

試すとわかりますが、負荷が無ければ空燃比計で16.5:1等かなりリーンになっても調子良くエンジンが回るのがわかります。

大体このクラスのバイクだと、使う回転領域って限られてくるので、特にキモになるのは2500~3500rpmの無負荷時にどこまで絞れるかと、そこからの全開時にどれだけツキを良くしてやるか、そこらが妥協点の見出しどころでしょうか。

ここはやはり走りながらセッティング出来ると近道出来ます。

あとは何と無く全体的に薄いとか濃いとか思う時、全マップの全数値を書き換えていては日が暮れます。
ましてやキーボードのないタブレットだと大変。

そんな時はイカサマと言われるかもしれませんが、設定値の項目、
バキュームのMINとMAXをいじります。

SP-TDCはバキュームを軸にしているので、大気圧との差でセッティングが変わります。
なので、大気圧を騙してやるとマップ全体を薄めに振ったり濃いめに振ったり出来ます。


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例えばMAXを大きくしてやるとマップの上側が薄くなるし、小さくしていくと濃くなります。
逆もまた然り。
MINを小さくしていくとマップ下側が濃くなるし、大きくすれば薄くなります。

とは言ってもここでいじるのはせいぜいボリューム値で5程度にしておきましょう。
それ以上しないと調子出ないなら、まだマップが煮詰まっていません。

あとはベース噴射時間、これが1~4番のインジェクターで個々に設定出来ます。


イメージ 3

これを小細工すれば、2番3番だけちょっとだけ濃くする、なんてのも可能。


とまあ、今回書いたのは自分が使ってみてセッティングを少しでも楽にする為にやっていた方法です。


点火時期も同様で、オススメは出来ませんがノッキングが出かける度数を探って、そこから少し戻す、といった方法を基本にやりました。
ただ、全開時の点火時期はノッキングが出るまで進めるとやり過ぎ(パワーに繋がらない)ので、全開時は単に実走で1番出た度数をベースにしています。

けどまあ、なんだかんだで大事なのはやっぱりフィーリング、気持ちよさ。
ここらは結局、キャブレターを長いこと触ってた経験が役に立っていますね。

キャブレターをやっていたからインジェクションで役立つこともあるし、
インジェクションをやったからキャブレターセッティングで新しい見方も出来るようになりました。

面白いですよ、セッティング。
空冷2バルブだからと諦めるにはまだまだ早いです。