角ヘッド系LTDクランクシャフト

時折話題になりつつも誤った情報をよく見るので…

所謂角ヘッド搭載LTDモデルのクランクシャフト。

程度の良いものが多い事からmk2の修理によく使われます。

で、よく言われるのがLTDのクランクシャフトはmk2クランクシャフトのセンターピンを15Tにした物、という言い回し。
(mk2は16T)

これ、個人的には違うと思っています。

正確には、角ヘッドLTDクランクシャフトは、KZ1000A1~2系クランクシャフトにmk2ジェネレーター側のテーパーエンドを付けた物、です。


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左が角ヘッドLTDクランク、右がmk2クランク。


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#2、#3コンロッド横のウエイト形状、左のLTDはモロにKZ1000Aで、対する右のmk2はJ系と同じような形状です。



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両端のウエイト形状は似ていますが、ここは右のmk2の方がやや肉厚です。


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カウンターギアの形状も違います、LTDはKZ1000Aそのもの、mk2は少し軽量化。


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同じく反対側もLTDはそのまんまKZ1000A、mk2はやや軽量化。

どちらが良いというものではありませんが、ざっくり言うとLTDクランクの方がmk2クランクよりも重たく、慣性も強い。

mk2クランクが中央寄りを軽量化して、両端部を重たくする設計なのは、クランク自体に発生する慣性から来るピンズレを防ぐ目的があるだとか、高回転時に振動が出にくいだとか諸説ありますが真相は不明です。

ちなみに両者を乗り比べてもZ1系とKZ1000A系ほどの劇的な違いはありません。

クランクは軽ければ偉いというわけでもなく、一部のエンジンではカウンターウエイトに穴を開けて比重が鉄の倍近くあるタングステンを打ち込んだりといった方法でクランクの重量を増し、レースで結果を出しているものもあります。
油冷やなんかをいじってる友人の話だと、クランクを軽量化した方が上が回らなくなった、なんて事もあるようで、単に軽けりゃいいなんて簡単なものではないようですね。