インジェクター容量と最高出力

インジェクター吐出量。

概ね、ざっくりな計算で過給器なしの4気筒エンジンではインジェクター吐出量×0.65位が限界と言われます。

200cc/minのインジェクターなら130ps
300cc/minのインジェクターなら195ps
が限界、といった具合に。

もちろん燃圧の影響を無視したざっくりな計算なので目安としての話です。
市販車ではギリギリで使い切る設定にはなっていないので、大体その値から2~3割ほど余裕がもたせてあります。

Z1000やDAEGが250cc程度のインジェクターなので、限界160psと考えると概ね間違いはないようです。

近年のシングルインジェクター採用のハイパワーモデル、ZX14やZX10Rでは440ccのインジェクターを採用。
これは上記計算だと286psが限界。
これも大体辻褄が合います。

しかし最近主流のセカンダリインジェクター装備の年式になると、ZX10Rに至ってはメインもセカンダリーも同じインジェクターが使われていて、実測で330cc/本、1シリンダーあたり合計660ccほど。

ホンダのCBR1000なんかはメインとセカンダリーで異なるインジェクターですが、これは噴霧角度の違いで、こちらも容量自体はほぼ同じ模様。

ハヤブサも300cc程度のインジェクターの2機掛け。

2本同時に全噴射する事は無いのだろうけど、インジェクターの多孔化と共にどうもインジェクターを能力ギリギリまで全噴射するような使い方はしなくなっているのか?

そして知らなかったのがセカンダリインジェクターって、ある回転数を超えると作動するのですが、どうもこれはシーケンシャルではなく全気筒噴射で垂れ流し状態らしく。



※上手く再生できない時はこちらから



確かに同時に噴いているような。
4番詰まり気味には見えるけど。

バイクの場合はクルマと比べて回転数が高いので高回転域になると噴射時間の制御が難しいからなのか?
細かくピストンの位置とバルブの開きに合わせて噴射を狙うより、ポート内に常にガソリンを漂わせる方が結果として良いって意味なのか?

あるいは12ホールインジェクターは目一杯能力を使い切るような使い方には向いていないという事なのか?


ホンダ、スズキ共に同モデルの12穴インジェクターでも、モデルチェンジ前後で穴配置と穴数、噴射能力は同じでも肝心の穴の径が目視で一目瞭然なくらいに全然違っていたりするのは、何を狙ったものなのか?

セカンダリインジェクターと呼ばれるものでも、スロットルボディ自体にセカンダリインジェクターを設けて噴射方向を変えたものと、上の動画みたいにエアクリーナーBOX内にインジェクターを設けて噴射するものの2種があって、それぞれ狙いは違っていたりと…

結局、その辺りはもう試して感じてみるしかなさそうです。
さすがにセカンダリインジェクターの増設までは当面考えてはいませんが…

奥が深いというより、知らない事だらけ…