キャブセッティングの前に

猛暑も関係あるのか?

この夏はやたらと周りでキャブの不調に悩む人が多かった。

延々と調子が出ないスパイラルにハマってる人が多くて、
多分、悩みに悩みすぎて方向性が誤った方向に行ってしまい、更に不調のスパイラルにハマってるパターンが…

まず多いのが、これまで調子が良かったのに、最近になって急に不調になったから、キャブのジェットを変更したが、変化はあるものの一向に良くならず訳分からなくなるパターン。

普通に考えると、多少の気温変化によって、セッティングの出ていたキャブが急に不調になることは考えにくい。

多いパターンはガソリンの沸騰、或いは追加した燃料フィルターの詰まり、燃料キャップの詰まりによるタンク内の負圧化でガソリン供給が不足してしまっているケース。

初歩的過ぎて見逃していることが結構ある。

他にも、近い仕様のエンジンよりどうもパワーがない、始動性が悪い、キャブのジェット番手が、仲間のキャブと比べてみて、えらく違う番手でないと乗れない。
何をやっても結局そのあたりの番手でないと乗れない。

これは意外にカムチェーンが1コマずれていたとか、バルブタイミングが狂っているエンジンに出やすい。
特にエンジンオーバーホールやカムシャフト交換直後などのエンジンにありがち。
イカムだからこんなに始動性が悪いのか?とか、ハイカムだから下がこんなにスカスカなのか?と思いつつ数年乗ってから気付いたり…。

そして難しいのは点火系の不調が絡むケース。
ノーマルの進角ガバナー固着しかけてアイドリング時の点火時期が狂っていたり、ピックアップコイルが劣化して高回転で信号出さなくなったり、点火コイルが高回転で失火したり。
これがキャブのセッティング中に併発するともう訳が分からなくなる。
また症状がキャブのセッティング不良と似ていたりするから尚更。
こればかりは点火系の不安を取り除くためにも、点火系は全て新品で揃える、位しか出来ない。
時にはタコメーターやメインキーシリンダーの劣化、接点不良が悪さをしている事も。

そして残念なのは、そもそもエンジン自体が寿命に達している場合。
コンプレッションが無い、とか。
こればかりはいくら新品キャブを付けても手遅れ…


とりあえずキャブセッティングをある程度詰めていこうと思うなら、最近値下がりして入手しやすくなったワイドバンドのA/F計の導入が近道かも。
ボスをマフラーに溶接する必要はありますが、不調が出ている時に薄いのか?濃いのか?そこを目で認識出来ると、ある程度の症状から判断できる感覚を身につけるのに役立ちます。
絶対的な数値よりも、どのジェットをどう変えたらA/F計の数値はどう変化するのか?
それが身につくとキャブセッティングの速度は圧倒的に早まると思います。

そういう小さな積み重ねも中々楽しいです。