悪口

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知人の紹介で持ち込まれたZ1000J3のフロントフォーク。
あるショップでステム周りとフォーク周りのO/Hを行ったのだけど、どうも以後の調子がよくないとの事。
確かに乗ってみても明らかに妙なガタがある。
ステムよりもフォークの動きがおかしい。
バラしてみて納得、フォークメタルは表面が剥がれ落ちて地金が剥き出し、アウターチューブ内部も縦傷と前後方向へ目視でもわかる磨耗。
インナーチューブも真っ直ぐではあるものの修正歴があるのか?測定すると一部楕円になっている。
症状をオーナーに連絡すると「くそ~あの店め!」と憤慨。

まあ、よくある話ですが私はその店が特に悪いとも思わないし、この事を実名挙げて鬼の首を取ったように言いふらそうとも思いません。
なぜならそのオーナー、安い予算でやってくれるところを電話しまくって探し、依頼したということ。
その時「とにかくオイルの漏れが直ればいい、どうせ細かいことは自分はレースやるわけでもないし、よくわからないから」と言って依頼したようです。
確かに症状を伝えきらなかったそのショップにも問題はあると思いますが、特にJに詳しいわけでもなければ「フォークメタルなんて部品設定なし」で片付けられるし、そこで気を遣って「ZX900A初期のが使える」なんて調べたりもしないでしょう。
目視でインナーチューブが真っ直ぐだと思えば予算の都合上わざわざ測定もしないでしょうし。

結果、確かに作業後数千キロ走ってもオイルは漏れておらず、オーナーの依頼は十分に達成されているわけです。
問題ないと思うんですが。
恐らくステムベアリングなどが正常に機能するようになってフォークの問題が顕著に感じられるようになっただけのことでしょう。

しかしこう言った中途半端な作業はやはりいろいろな誤解、トラブルを招きやすいものです。
恐らくオーナーさんはその店を悪く言いふらすでしょうし、それを一方的に聞いただけの人は「へぇ、あそこの店ってだめなんだ」と更にウワサは広まるでしょう。

また、特に個人経営の特定車種を得意とするショップ等ではやたらと他店を見下したような発言、自分が神の手であるかのような誇張表現、そういった内容てんこ盛りのHPを作成してみたりと「井の中の蛙・・・」的な痛々しい所もあります。

けど、自分が実際に整備業界で生きてて感じるんですよね、ホンモノはそんな事やらないって。
自分の腕に自信があれば他をとやかく言うこともないし、見下す必要もない。
整備って言うのはいかに基本に沿えるか、基本を応用できるか、とにかく経験の積み重ねなしには発展は無いってこと。
他人を蹴落としたって、自分は這い上がれません。

人の作ったバイクを影でコソコソ非難するのは本当に簡単なことです。
1197ccでトルクを活かしたマイルドなエンジンを作れば、
「排気量デカイだけで眠たいエンジンだね~」と非難され、
1105ccでビンビン回るエンジン作れば
「ストリート仕様でこんなに過激な必要ないでしょ、」と非難される。
これはあくまでも仮の話ですけどね。
まあ、こんな非難を得意とするショップもあるわけです。

オーナーが希望通りに仕上がって満足してるんならそれでいいんじゃない、アンタが金払うわけでもないでしょ?
そんなイライラとの戦いです・・・。

ほんと、ケツの穴が小さい奴が多い業界です。