パワーor寿命
Z/J乗りの嬉しい悩みといえばエンジンパーツの選択肢が豊富なこと。
純正物からドラッグレース用まで選び放題。
ちょっと排気量と圧縮比上げて、元気のいいカムとレーシングキャブでウソみたいに走るようになります。
自然吸気エンジンですから、排気量を上げるのが最も手っ取り早いパワーアップ。
がしかし、パワーの陰に隠れているのが発熱。
○○馬力パワーアップしたぞ!という裏には、必ずそれ以上に熱を発生している現実があります。
理論的に言って、ガソリンを用いた一般的なレシプロエンジンでは、最近のエンジンでも最大でせいぜい熱効率30%くらいです。
おそらく、空冷2バルブのエンジンではもっと低いでしょう、良くて25%ちょこっととか。
要するに、ガソリン燃やしてパワーになるのは3割弱、残り7割以上は熱や騒音として捨ててるわけです。
熱効率というのはほぼ絶対的な数値なので多少の改善は出来ても、これを50%とか70%に上げることは出来ません。
それを踏まえて、パワーが上がるという事は?
より多くのガソリンを燃やしてやるしかないわけです。
例えば1000ccで100psのエンジンを、1200ccにして120psになりました。
パワーは2割増です。
すごい!でも?
発生する熱も2割増し、いや実際にはそれ以上の熱が発生します。
空冷エンジンの寿命を決めるのは熱によるダメージ。
オイルも滲み易くなるでしょう、歪みも出やすくなるでしょう。
そこを割り切れるかどうか?