圧縮

ハイコンプピストンのネタで少々続きを・・

Z系って圧縮比は大体ノーマルからワイセコまで9~10.25:1程度。

対して最近の高出力バイクのエンジンはメーカー純正、例えばZX-6Rでノーマルで13.3:1とか。
ちなみに599ccの排気量ながら最高出力は128ps/14000rpm 





当然、Zのエンジンを開けたり、いじったりすれば

「もっと圧縮比を上げてモアパワーが欲しい」

そう思うのも仕方が無いことです。


で、圧縮比を上げればパワーが上がる、これ、結果的にはその通りです。

理論的にも、ある程度までは出力が向上することは間違いありません。


じゃあ、なんでワイセコとかは10.25:1みたいな控えめな圧縮なの?と疑問に思う人も多いようです。


答えは簡単、高圧縮にはメリットもあるけどデメリットもあるから。



タイヤにハンドポンプで空気を注ぐ時を思い起こしてみてください。

タイヤに空気を入れるために、ポンプを手で押します。

タイヤの空気圧が上がれば上がるほど、ポンプを押すのがどんどん重たくなってきます、人は疲れます。

これです。

圧力を高めるほど、押す力が必要になる。

しかも、空気を圧縮すると熱が出ます。


モアパワーを求める結果が、回転抵抗を生じたり(高回転域が延びない)、発熱を招く(オーバーヒート)ということです。

勿論、それを知っての上でのモアパワー追求であれば、さらなる高圧縮化も面白い選択です。

そこへむけて更に、バルブタイミング/クリアランスを調整してオーバーラップ時間を操作、実質コンプレッションをコントロールしてみたり、そういった味付けでまた楽しみが増えていきます。