候補①1150ccローコンプ(フラットトップ)

ピストンと睨めっこ。

左が今まで使っていたのと同形状のワイセコ1135cc

右が実験用に一個準備したART1150cc

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自然吸気エンジンで最も確実にパワーを稼ぐ方法=排気量増大

と言う訳で1150cc仕様の場合をまずは考え中。

ピストンに求めていること、

「強度」と「軽さ」の相反する要素

「高圧縮比を稼げる形状」と「燃焼効率追求の為の最小の表面積」の相反する要素

ワイセコは所謂セミ鍛造、鋳造と鍛造のいいとこ取り。
厳密に言うとコスワースやMTCの鍛造とは違って、性格的には鋳造に近い印象を受ける。

ARTの方はコスト重視の鋳造、鋳造の性格上、形状の自由度が高いので軽量デザインが可能。
表面硬度、耐熱性を稼ぐ為にトップ部はアルマイト処理されている。


いわゆるZ系用の社外ハイコンプピストンって、圧縮比を稼ぐ為に凸型に盛り上がっていて、

且つ、バルブを逃がす為に深いリセスが掘られている。

結果、トップ部の強度を稼ぐ為にどうしても肉厚が必要、純正よりは重たくなる。

また、リセス溝を深く掘るため、どうしてもピストン表面積が増えるし、エッジ部が増える。

エッジ部が増えるというのは、その部分にどうしても熱が篭もりやすいし、良い事はない。

がしかし、圧縮比を高めることでそれらのマイナス要素を抱えながらも、結果的にパワーが得られる。

矛盾との戦い。

ワイセコは73mmまでの形状と、74mmより大きいピストンの形状が全く異なる。

73mmまでは比較的純正に近い形状で、74mmからはレース用ハイカムに対応した深いバルブリセスが掘られる。

個人的にはストリート仕様ならワイセコは72mmか73mmをヘッド面研せずに組むのがベストだと思う。

これは聞いた話とか、ウワサとかじゃなくて、自分自身が実際に自分のバイクに組んで感じた事。

絶対的なパワー云々よりも、とにかく気持ちいい、トラブルも少ない。


これまで、自分は圧縮比をとにかく高めることに集中していたと思う。

で、気付いたらトラブルも増えてきた。

思えばZ1100GPは圧縮比8.9:1

Z1100Rで9.5:1

ゼファー1100は8.7:1

メーカー出荷時にはこの程度。

ここらがメーカーの考えるストリートでの性能保証の限界なのかもしれない。


で、今までよりローコンプで排気量を上げたらどうなるんだろう?

そんな疑問も湧いてきた。

勿論、ヘッド側にもビッグボア対応加工を施すつもりです。

ピストンは可能な限り軽量な物、

トップ形状も可能な限りフラットに、

一体どうなるんだろう?

エンジンの性格はヘッド側で大半が決まるはず、面白いエンジンに仕上げるにはヘッド側で・・・

なんて思い始めた。

エンジンいじる原点は、可能な限り抵抗を減らして、効率を上げること。



他にも色々考えてしまいます。

排気側にも吸気側と同等のリフトが必要なんだろうか?

排気側のバルブって吸気側よりも小さい。

考え方によっては、そこで抵抗を減らすことも出来るかもしれない。


難しく考えるよりも、やってみないとわからない。

別にレースで勝たないといけないわけじゃないし、一生同じ仕様で乗らないといけないわけでもない。

どうせ組むなら、今までやった事の無い仕様で、結果を自分自身で体感してみたい・・・