ピストントップボリュームの測定方法

圧縮比を測定計算する際に、ピストントップの盛り上がりとバルブリセスの逃げをどう測ればいいのかわからない、とよく聞かれます。

簡易的な測定方法はいたって簡単。

測定する必要がある状況・・・つまり腰上をバラしている状態が前提。

シリンダ、ピストンを組み付け、ヘッドは載せずにシリンダに規定トルクをかけて固定締付け。

この状態でクランクを手で回して、まずピストン上死点位置を確認。

死点位置でピストンの肩とシリンダ上面の位置関係を確認。

ほぼツラか、若干ピストンのほうが低いはずです。

低ければその差を測定記録。

続いて上死点位置から20mm(2cm)ピストンを下げます。

そこで灯油を注入、注ぎ口を開けたアクリル板などで蓋をして目一杯注ぎます。

(ピストンとシリンダ壁面にはあらかじめ漏れ防止のグリスを塗布しておきます)

仮にピストントップが完全フラットであれば、注入した灯油の量は・・

ボアが70mm(7cm)とすれば

3.5*3.5*3.14*2=76.93ccです。

実際にはピストンは盛り上がった形状なので76.93ccよりも少なくなるはずです。

仮に50ccしか注げなければ、ピストントップボリュームは76.23-50=26.93ccです。

ただし、コレはシリンダ上面とピストンの肩位置が全く同じツラだった場合。

仮に上死点位置で0.5mmピストンがシリンダより低ければ、その容積分は燃焼室容積に足さないといけません。
この場合だと3.5*3.5*3.14*0.05=1.9cc

面研歴が不明だったり、流用ピストンを組み付ける際には必ずやる項目です。

勿論、多少の誤差は出ますが、やらないよりはマシです。