有給消化 ZにJミッション

今日は年度末の有給消化で休み。
 
よって、作業開始。
 
作業前仮組
 
ピンク色の塗料は各部のクリアランス、干渉の有無の最終確認の為。
 
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ここで必ずエンジンを正転(車体搭載状態と同じ向き)させた状態で組み付け、実際に回転させないとダメ。
 
エンジンひっくり返して回した時はOKでも、いざ反転させてみたら各部のクリアランスが変わるので、思わぬ干渉を招く事多々あり。
 
特にシフトドラム逃げとギアの干渉は要注意、結構個体差があるので、Jミッションコンバート時、別のエンジンでOKだったからこのエンジンでも・・・と旋盤で一律に同じ数値でドラム逃げ加工をすると、カラカラカラカラ・・・と干渉音が出ることがよくある。
 
今回も別エンジンで計測して逃げ加工したドラムを流用したところ、正転させて回してみたら、極僅かに干渉があったので再度逃げ加工。
 
シフトフォークも同様、左右のクリアランスなどが結構あるので、必ず切削後は1~5速まで回してしつこい位確認。
 
あと、できればこの辺りの部品も要チェック
 
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時折、位置決め部が異常なくらい磨耗したものに出会います。
ここが磨耗していてはいくら新しいミッション流用してもシフトタッチはイマイチ。
 
純正はすでに欠品ですが、今回はストックしていた新品を使用します。
 
ケース閉じる前によく見ておきたいのがクランク受け部にある位置決めピン。
 
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O/H時に入れ替える作業があった場合、組み付け前にここの高さが不均一に見えたら、もう一度抜いてよく確認したほうがいいです。
 
知人の例で実際に数例あったんですが、ここのピンを抜いて入れ替えた際、ケース側の穴の中にグリスや洗い油や水のような液体が入った状態でピンをそのまま打ち込んでしまい、ピンの奥に液体を封入した状態で
 
「ピンが奥まで入らない!」と、ハンマーで叩き込んだところ、なんとクランクケース側を割ってしまいました。
 
まあ、液体と言うのは基本的に一切圧縮できないので、ハンマーで叩けばその衝撃はモロにケース側にかかるので・・・
 
あと、傷んだクランクを使用していた車両で多いのが、この位置決めピンの穴が馬鹿穴になったり楕円になっているもの。
この場合は、出来れば無理な補修は止めて別ケースを探した方が良いです。
 
あとはクランクホルダー
 
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時たま前後が逆になっているものや、肉厚が大きいGPz?のモノを流用しているものがありますが、
 
ホルダーはクランクケースと合加工(規定トルクで締めた状態でラインボーリング)なので基本的にそのケースについていたホルダー以外の使用や、向きを変えての使用はNGです。
 
今回のエンジンはここのM8ボルト、頭が妙に傷んでいたので新品へ交換・・・・
 
当時モノとは微妙にくびれの違うボルトが来ました。
 
しょうがないか。
 
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クランク用クロモリ強化スタッドは・・・・
レース用です。
ストリートでの使用は何のメリットも無いので、自分は使いません。
ストリートレベルでの仕様&使用でクランクがっつり押さえ込まないと振動が出るようなら、それは先にそのイカれたクランクをどうにかするべきかと。
 
少なくとも30年は持っていた当時モノの純正ボルトを更に強化する必要性も特に無く・・・。
 
 
さて、これから閉じます。