鉄は生き物
日々、鉄と接しています。
鉄と言っても、色々な種類がありますが共通しているのは、鉄って扱い方次第で様々な変化をします。
焼けば一瞬膨張、そして冷えると縮んで硬くなる。
繰り返し荷重のかかる部位なら、そこら辺りから破断が起きる要因となったり。
毎日そう言った諸問題と闘いながら仕事をしていますが、
どうしてもバイクの鉄フレームとラップさせて考えてしまいます。
で、やっぱり考えれば考えるほど、可能な限り熱は入れたくないし、一度ダメージ負ったモノはいくら修正機で直そうが元には戻らない、下手な補強はデメリットしか産まない、
旧いバイクに乗る我々には気付かされたくない現実にブチ当たります。
今は溶接機も安くなり、ちょっとしたバイク屋さんには溶接機設置も珍しくないですが、
実際、ビードが綺麗だとか汚いとかで判断してる、そんな知識レベルで補強やら入れるのは自殺行為かと。
あと、未だにフレームをロウ付けで補強してくれるショップを知らないか?なんて聞かれることがあるんですが、ロウ付けは溶接とは違います。
ロウ付けはパイプ同士の線接合には不向きなので、効果的な補強、強度を求めるとベストなのはフレームに面接触するような板材メインでの補強になります。
補強材の製作には高度な板金作業が必要で、その分手間もコストもかかります。
個人的には溶接はTIGが好きですが、被覆アーク、いわゆる手棒溶接でも正しい施工、養生をすれば全く問題ないです。
問題出易いのが半自動機。
ワイヤーがビュンビュン出るやつです。
これが溶接条件には結構シビアで、マシンの設定やメンテナンスやワイヤーの選択次第で仕上がりにバラツキが出やすい。
多いのは電流、電圧が合っていなくて溶接ビードらしきものは乗ってるけど、実際には母材に全く溶け込んでいない例や、逆に過度に熱が入りすぎて酷いアンダーカットを起こしている例。
まあ、カスタム屋さんによっては適当にグラインダーで仕上げてパテ盛って塗装して一丁あがり!なんてトコもありますが。
とか考えてると、最後にはフレーム作りたくなってきますね。
会社にある設備が使えれば、夢じゃないんだけど。