φ22アクスル

インドでやれる事は図面書くくらい。
 
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まだ暫定の下書き程度ですが。
極端な肉抜きはしたくないですね・・・
軽くても、曲がったり破断したら本末転倒。
と言うか、若かりし頃、フロントアクスルの内径肉抜きしすぎて破断させた経験があるんです。
あの時は確か外径φ20に対して内径を16くらいまで掘っていたのか・・・詳細は忘れましたが、
とにかく机上の計算を繰り返して、大丈夫だって結論に行き着いて実行したんですが、1年、2万km位使ったところでフロント着地時に破断、フロントプロアーム状態、ブレーキがスコスコになって死に掛けました。
他人様を巻き込まなくて良かったのが幸いでしたが、以降、もの作りは安全第一になりました・・・
 
で、やたらと大径アクスルに反応したメッセージ頂くんですが、自分の場合は径を上げること自体が目的ではありません。
シャフトそのものをワンピース構造にする事や、基本的な構造を変更することが目的です。
多分、クロモリ化や、大径にすると劇的に良くなるんじゃないか?なんて幻想を抱かれているのかもしれませんが、これだけは断言できます。
 
「普通に街乗りや、チョイ飛ばし程度のツーリングでは、仮にアクスルシャフトを多少大径化して、素材をクロモリかそれ以上の機械的に強い素材で作り直しても、ノーマルで完全整備された状態の車両と比べて、99%の人は恐らく何の体感も出来ません」
 
私も99%の部類です。
純正のシャフトだって、決して弱い素材で出来ているわけではありません。
削ったりしてみた感じだと、S45C辺りが使われているのかな?と思いますが。
 
仮に、「俺は間違いなく体感できた」というケースがあるとすれば、純正シャフト自体の寸法が同一、つまりベアリング当たり面の減りが全く無い状態、新品の状態から比較しないと比較とは言えません。
オートバイのフロントアクスルシャフトは構造上、ベアリングの内径との間に遊びをもたせてあります。
完全に公差ゼロだと、当然ながらホイールを外す事が出来なくなるので。
 
実質的にはホイールベアリングととディスタンスカラーをスラスト方向からの力で抑え付けることでホイールを固定していますが、超厳密に言うと、走行中はベアリングとアクスルシャフトの間では絶えず当たったり、離れたりを繰り返している為、走行距離が増してくると徐々にアクスルシャフトのベアリング当たり面が痩せてきます。
 
勿論極僅かな減りですが、直径が600mm以上あるタイヤの中心と考えると、いくらアクスルナットを締め付けてベアリングとホイールディスタンスカラーを押さえつけているとは言え、タイヤ自体は結構グラグラと動く事になります。
 
逆を考えれば、純正シャフトよりも更に公差を厳しい方向に持っていって、ベアリングとのクリアランスを減らせば良い方向に行く理屈になりますが、そこはホイール側のベアリング設計位置精度や、シャフトの曲がり、メッキ厚管理、或いは万が一シャフトが錆びて膨らんだ際に抜けるかどうか?
様々な要素が絡んでくるので、そう単純な物ではないのが現実。
 
但し、アクスルを大径化して、シャフトとベアリング間のクリアランスが同一であると仮定すれば、トータルでタイヤ自体のグラグラは大径アクスルの方が減る事になります。
或いはホイールベアリングスパンを広げるのも同等の効果が見込めます。
 
要はシャフト素材よりも、まずは寸法に要因する部分で色々改善される見込みはある、と考えています。
 
その次に素材の検討に入るべきかと。
 
一時期、やたらと雑誌か何かがクロモリシャフトをはやし立ててた時期に、お客さんがどうしてもと、ZRX1200のフロント、リアアクスルとスイングアームピボットシャフトをクロモリの製品に替えました。
たしか3点で10万円位したと思います。
勿論試乗しましたが、まだ走行数千kmで元々フロントアクスルが極太のZRX1200。
もし、これが3点で1万円とかだったら、お客さんにはきっと、
「効果?何もわからないです・・・、気休めですかね・・・」と言ったでしょうね。
当然そんな事言えませんでしたが。
 
そのシャフト、その後サビサビになって、結局純正へ戻されたらしい・・・ですけど・・・
 
確かにレーサーや近年の一部市販車はクロモリのシャフトを使っています。
でも、これって本来は限られた外径で、強度を落とさず軽量に作るにはどうしたらいいか?ってトコから始まっているんだと思います。
極限まで軽くするには中空、難しい熱処理も考える必要もなく、強くて加工しやすく加工精度も出しやすいのでクロモリ、と。
 
なんか否定的なハナシっぽくなってきましたが、決して否定しているわけではないです、ただ、大径だとかクロモリだとかってのは、本当に重箱の隅を突っつきまわすレベルの話なわけで、イコール装着すれば即体感の即高性能って物ではないですね。
自分の場合はフロントホイールベアリングスパンをベアリング中心間距離で130mmまで広げて、ベアリング内径は30mm、シャフトはワンピースで最小径22mm、多分、そこまでやっても体感で得られる物は、さほど大きくは無いと思っています。
 
ハッキリ言って無駄です、浪費です。
でも、いいんです。
自分のやりたい事をやってみる、誰もやっていない事をやってみる、それだけです。
 
やった事ないのにアレコレ理屈並べるのが一番ダサいし。