情報

こっちに来てから久々に夜ゆっくり過ごせるようになったので、まったく今まで見ていなかった他の人のブログなんかを見ています。
 
知らない間に色んなパーツがリリースされていたり、おまじないグッズみたいなものもあったり。
よく考えたら転職してからバイク雑誌すらロクに見たこと無いしな・・・
 
何か、あれこれしょうも無いことでネチネチ悩んで何がしたいのかもはや判らなくなっている人の気持ちがわかりました。
 
情報、溢れ過ぎ、特にエンジン関連。
 
一見個人のブログっぽいけど、あからさまに一つのブランドやショップや加工屋さんをイチオシしてるようなのとか、
その機種のその部品しか知らない人が、さも全ての物と比較したかのようなインプレを書いていたり。
 
表面だけさーっと読み流すと、そりゃあコレといった目的やこだわりの無い人は、情報に流されまくって、頭の中で妄想膨らんで単に根拠の無い知識に支配される事でしょうね・・・
 
次にエンジンやるときは絶対こうするぞ!みたいな。
 
基本、どんなお店のブログでもHPでもそうですが、自社の失敗作や、問題点を書くことはありません。
しかしながら、わざと判る伏字で他社製品を酷評したり、これ、当たり前です。
そこの店に入れ込んでいる人、あるいはそこに利害関係を持つ人が書くブログが同様にそこの店、製品をヨイショするのは至極真っ当な流れ。
 
書いてある内容なんかも、あえてあまり知識の無い人向けにウケやすい誇張した内容だったり。
 
まあ、バイク関連でよくあるパターンはあまり詳しくないユーザーがフルO/H済と言われるエンジンを個人売買で入手(或いは自力で素人O/H)、それで乗っていたが突如ピストン溶けてエンジンブロー
さあ、復活へ向けてどうする?みたいな記事。
 
エンジンブローさせた人ならわかると思いますが、壊れたエンジンに使っていたピストンとかカムとかって、もう信頼できなくなります。
仮にブローの原因が単に組み方、加工法が悪いだけだったり、単にセッティングが悪かっただけだったとしても、もうとにかく別の物にしたい、それが心境です、物のせいにしときゃ気も楽だし。
 
で、そこに向けて「イチオシのピストン投入!」とか「カム投入!」或いは「イチオシの○○処理を施しました!」
 
組みあがったら今までとは別物です!以前の不快な振動は無いし・・・音も・・・油温も・・・
やっぱ○○ピストンサイコー!とか○○カム最強!とか○○処理はやるべきです!
 
そんなブログになりますよ、当然。
 
そもそもブローするようなポンコツエンジンと比較して良くなってて当たり前。
特にピストン溶かしたようなブローさせたのであれば、そもそもピストン自体でなく、別に問題があったと考えるほうが自然です。
点火時期がおかしかったとか、ガスが薄すぎたとか。
振動などはクランク自体の問題や同じく点火系の不具合がほとんど。
或いはそんな状態で不調に気付かず乗っていたオーナー自身の鈍感さもあるかもしれません。
 
エンジンって、似たスペックの物をまともな加工をしてまともに組んだなら部品一つ、表面処理一つでそう劇的に変わりはしません。
何も考えずそういう記事をさらっと読み流すと、さも新しく投入した部品が秀逸で、元の部品が劣悪だったような印象を受けてしまいます。
 
問題はそう思っていた所に今度はまた別の人がまた別の記事を書いて、さっきまで自分が劣悪だと思っていた部品を絶賛していたりする。
だからもうそこからは正解を求めて同じ作業の繰り返し。
否定記事を探したり、肯定記事を探したり。
挙句の果てにYahoo!知恵袋にすがってみたり。
 
でも、無駄なんです。
正解はどこにも載っていません。
 
同じ部品で同じような仕様なのに妙に調子悪い、そういう事だって珍しくはありません。
事実、自分がこれまでバラしたZ/J系だと
 
O/Hしたばかりなのに異常に振動が出る(コスワースピストンの圧縮比が高すぎるのでは?との依頼)
→結果的にはクランクのズレでしたが、O/H時にはクランク修正をしてもらったとの事、内容は単にフレをプレスかハンマーでとってあるだけでした、位相角は未チェックだった模様。
別クランク入れ替えで解決、勿論ピストンには何の罪もありませんでした。
 
O/Hしたばかりなのに異常にオイルが減る、ワイセコピストンかボーリングの精度不良では?
→組んだ店がエキスパンションリングを組み損なっていただけでした。
アメリカ物ピストンは精度が悪いから仕方ないと組んだ店で言われたそうです。
 
O/Hしたら異常に発熱するようになった
→純正オーバーサイズピストンのmk2でしたが、ガバガバに緩んだ純正シリンダスリーブをローレット加工してむりやり組んでありました。
オイルもまわってスリーブの熱がシリンダに逃げにくくなるんだから、結果的に熱を持つようになったのだと推測。
組んだ店へクレームで突き返すということでバラバラのまま持ち帰られたのでその後は知りません。
 
物は言い様というか書き様というか。
上記の例でもピストンの精度悪いって言うんならはじめから組む前に計測してデータで示せよ、って思いますよね、お客さんからすれば。
勿論、組み手のミスを物のせいにするなんてのは次元の低い話で・・・。
まあ、そもそも工業製品ってのはどんなものでも必ず公差があって、その範囲にあれば製品として出荷するわけだから精度ゼロを求めるのは酷ですが。
 
いい情報っていうのは拡がりにくいですが、ネガティブな情報って言うのは真偽に関わらず、延々広がって、語り継がれますからね・・・。
 
バイク関連では少ないと思いますが、最近はステマステルスマーケティング)なんていう、消費者に宣伝と気づかれないように宣伝するってのが流行らしいですが・・・。