クラッチ
左 カワサキ水冷シャフト駆動モデル用
右 ゼファー1100
いずれもバックトルクリミッター付き
けど違いはハブ内部、裏から見ると
水冷シャフト駆動系にはバックトルクリミッターに加えて更にハブ内部にダンパー(衝撃緩和機構)内蔵
シャフト駆動故にリアホイールに大きいハブダンパーを持たない為、ここで衝撃を緩和。
仕組みは簡単
このカムをダイアフラムスプリングで押さえつけています。
これは原理的にはZ1000STやZ1100RやGPz1100などと同じ。
Z/J系のダンパー内蔵はこちら。
先程のダイアフラムスプリング方式ではなくコイルスプリング方式ですが、仕組みは同じです。
前にも書きましたが、これにはクラッチを切る作用はありません、バックトルクリミッターとは違います。
バックトルクリミッターはエンジンブレーキ使用時のリアタイヤのホッピング、ロックを防ぐのが目的で、仮にコーナー進入時にエンジンの回転を合わせず5速からいきなり3速とかに入れてクラッチをパンッと繋いでも勝手にバックトルクリミッターが作用して半クラッチとなり、割とスムーズにコーナー進入が可能です。
これがダンパー内蔵タイプのハブだと同じコトをやると衝撃は幾分和らぎますが、クラッチが切れる(滑る)わけではないのでリアタイヤはロックしたり跳ねたりします。
いずれもメリットは他にも。
リアがエンブレでロックするときって、その力はクランクシャフトにモロに加わります。
経験ある方もおられると思いますが、クランクシャフトがズレる時って結構シフトミスでエンブレがガツンときたらその後からおかしな振動が…
というのが多いです。
この辺りの関係で、昔からZ/Jにシャフト駆動モデルクラッチ流用をする人も多いです。
デメリットと言えば、ゼファー1100のバックトルクリミッター付きはそうでもないのですが、ダンパー内蔵タイプは重いです。
かなり。
ある意味、クランクシャフトと直結する部分なのでレスポンスにも影響はあります。
1g単位で軽量化を考える人には向きません。
あと、たまにバックトルクリミッタークラッチ流用で、オペレーションプレートをGPzやJシャフトモデルなんかのをそのまま流用しているのを見ますが、ここに注意。
バックトルクリミッタークラッチに付くタイプはハブが動く関係で長穴
ダンパー内蔵タイプのは丸穴です。
無理やり付けてバックトルクリミッター作動させてると、クラッチスプリングボルトが折れます。
自分が組むエンジンにここらのクラッチ使う理由が多いのは、軽さを多少犠牲にしても、クランクシャフトを保護したいのと、ハブダンバー容量の小さいレース用ホイール使う事を考えて…です。
あ、全て単品ではチェーン駆動モデルにはボルトオンではありません。
シャフト駆動用ミッションインプットシャフトごとの流用となります。