キャブとインジェクション

両方やって、結局どっちが優れてる?とたまに聞かれます。

これ、すごく難しい。

インジェクション化と一括りに言っても、スロットルボディは適切な径の物を使っているか?
スロットルボディピッチのかなり異なるものを取り付けて、ポート形状がおかしな事になってないか?
同じく、インジェクターはヘンテコな方向を向いていないか?
そしてそれらをコントロールするユニットは使いこなせているか?

これらを踏まえて、それらをクリアしているのを前提として考えないと、どちらが優れているとは言えない。

ただ、適切なハード類とソフトウェアをセットしてやれば、セッティングの幅ときめ細かさで言えばインジェクションの多様性、自由度はキャブレターの比にならない優位性があるのは明確。

けど、単にルックス、オートバイとしてのシンプルさや、ある程度の大気圧変化や排気圧力の変化にも柔軟に対応してくれるのはキャブレターに優位性がある。

ピークパワーはスロットルボア径と供給される燃料で決定されるから、両者には理論上の差は出ない。

多分、Zのインジェクション化を考えている人って、「単に面白そうだしなんとなくやってみたいから」って人が大半だと思います。

VM/CRのルックスが…なんて人達はそもそもインジェクション化なんて興味無いだろうし、ジェネレーターが必要な以上、サーキットで絶対的なタイムを狙う事も出来ないし。

だから、どっちが優れてる?って聞かれるより、どっちが面白い?って聞かれた方が答えやすいかも。

ただ、意外な感じもしますが、インジェクションをアレコレとやった今の方が、キャブセッティングが得意になった感じがします、自分なりに、ですが。

キャブレター車に乗っていても、これ、確かにちゃんと回ってはいるけどまだ絞れるな、とか。
エンジン温度とアイドリング時の回転変化で、SJデカすぎるのをPSで絞って誤魔化してるな、とか。
意外とキャブならこんなもんだろ!って見過ごしてる点が気になったり。

時間とマネーに多少の余裕ある人は、インジェクション化はトライする価値はあると思います。