お気楽に

昔からの友人のツテとかで、ZとかCBに乗ってる方から、車両に関する御相談を頂くこともたまに。

古い車両故に何かしらのトラブルや持病を抱えているのは珍しい事でもないし、内容的にもよくあるような内容です。

お話しさせて頂いて、何となくですが、同じような傾向を感じたので。

自分が昔から古い車両で心がけている事は、まず、修理と改造(カスタム)ははっきりと線引きをしてから手をつける事、且つ、必ず修理が先行して行われる事。

情報が錯綜するご時世です、アレコレ考えているうちにあらぬ方向へ思考のベクトルが向いてしまうこともありますが、基本的に70~80年代の車両には厄介な電子制御のデバイスもなく、不調の原因は至って簡単な事が殆どです。
(勿論、修理に必要な部品が既にメーカーから入手出来ないという面で苦労することはありますが)

そのちょっとした不調を解決する為に、遠回りしてしまうケースが意外と多いようで。

プラグがやたらかぶる、乗っているとエンストを繰り返したり、始動性が悪くなったり、どうも純正キャブが不調、自分なりにネットで調べて社外キャブを装着するも根本解決はせず。

ならば点火系かと点火系をあちこちで評判の社外ユニットに新調、しかし変化はあったもののやはり不調は変わらず。

訳が分からなくなってよく分からないアース線を取り付けまくってみたり、なんだかよく分からないおまじないグッズみたいな部品を取り付けてみたり、、
勿論何も解決せず。

ダメ押しで高価なレーシングプラグやら昇圧回路やらなんやらを投入するも、当然何も変わらず。

結局は元々エンジンコンプレッションが低過ぎた、バルブクリアランスがゼロになっていた、とか、
メインキースイッチやハンドルスイッチ、クラッチスイッチが接点不良を起こしていただけだったという、初歩的なトラブルだっただけというオチだったり。

社外品のキャブレターや点火デバイス、レース用のイグニッションコイルやイグニッションプラグ、昇圧回路が無意味だとか無駄だとか言うわけではないです。
正しくセットアップして、その特性、組み合わせを理解すればそれらでしか得られないメリットもあります。

ただ、それらを活かすのには先ずは健全な状態の車両である事が大前提な筈なのに、いつの間にかその順序が逆になってしまう。

また、レース用や特定の用途に優れた部品を取り付けるにも、そのメリットだけを鵜呑みにして、それを公道仕様の車両で使う際のデメリット、リスクは無視しがちです。

アレコレとネットで検索していると本当に様々な情報、商品、インプレがヒットしますが、
本当にきちんと整備した車両であれば特別なことなどしなくても充分楽しく走れるし、むしろバランスを崩すような社外部品を付けるくらいなら何もしない方が良い場合もある事も。

例えばZのポイント点火が社外のフルトラ点火と比較して劣っているかどうかは結局は価値観だけの違いで、
Z本来の乗り味が好きな人は機械式ガバナーとポイント点火でしか出せない乗り味に価値を見出すだろうし、ポイント点火で常に好調を保つようメンテしながら乗ると言うのも一つのオートバイの楽しみ方だと思います。