中古工作機械

一応、本業の類なので、たまに相談されます、ガレージにフライス、旋盤欲しいんだけど、中古ってどんなの買えば大丈夫?とか。

何をやりたいかにもよりますが、旋盤は中古で多少精度が出ていなくても、丸物なので使い手次第で計測しながら工程組んで使えばそれなりには使えます。
要するに機械に付いているスケールは無視する、って意味で。

フライスに関しては本当にピンキリ。
中には4気筒のヘッド面研とか目論んでいる人も居るのですが、実際、その作業ができるクラスの中古機械の個人購入は非現実的です。
最低限必要な精度は大体ストローク1mあたり60μm(0.06mm)程度は欲しいところですが、現実、そこらで中古現状渡し、格安品で売られている中古フライスは自分の知る限りではそのクラスの精度が出ているものはそう滅多にありません。
一応、工作機械の精度はJISにも定められてはいますが、結構甘め。

精度出しを専門業者に依頼すれば、多分、想像を超える請求書が来ます…

精度といっても、一番単純な汎用フライス盤でも、主軸のフレ、テーブル上面の平面度、テーブル上下Y軸運動のガタ、テーブルの左右送りX軸のガタ、XY直角度、自動送りが付いていればそこらのバックラッシュ調整などなど見るところ色々で。

ガタなんかは調整するクサビ(ギブ)機構があればまだどうにかなりますが、安いものだとどうしようもなく、摺動面が減ったら使い捨てと言ったものも小型機や安物には多いです。


特に特定の製品ばかりを作っていた機械だと、ある特定の座標付近だけのテーブル送り装置が磨耗してガタガタになっていて、クランプが効かなかったりして変なビビリや加工痕が出たり。

結局、精度が出てないフライスだといくらテーブルが大きくてもストロークが大きくても結局は大物の加工が全く出来ないというムダに終わるので、その辺りを踏まえて小物しか加工しないと割り切れば良いのですが、ついつい欲張るのが人の性…

大物、精度のいるものは外注、簡単な追加工や小物だけ自製、とか割り切れば機種選定も気楽です。





ちなみにテーブルの平面度などは水準器で見るのですが、水準器といっても精密計測用の特殊なもので、ホームセンターなどで売られているものとは全くの別物、

http://e-riken.com/suijyunki.html

これらを用いますが、価格を見ると精度出し作業がいかにお金がかかる作業かがわかると思います…