フルトラって?

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Z系に限らず、オートバイの4サイクルの4気筒車の多くにはフルトランジスタ式点火(通称:フルトラ)が使われています。
Zのフルトラ化、なんてよく耳にしますが実際に「フルトラって?」と思いつつ口にしている人も多いようです。
(DYNA-SやDYNA2000もフルトラ化する商品です)

中にはCDI点火と混同している人も多いようですが・・・。

簡単に言えば、トランジスタを使って点火装置すべてを作動させているからフルトラなんです。
フルトラと言うからにはセミトラ(=セミトランジスタ)点火も実際に存在します。
まあ、セミトラなんて使ってる人は居ないでしょうからフルトラだけのお話で。

色んな雑誌でフルトラの説明がかかれていますが、ある程度電気的な勉強をしたことがある人でないと???な用語が多すぎて意味不明になってしまうようです。

簡潔に言えばトランジスタってのはスイッチみたいなもんだと思ってイメージするとわかりやすいです。
それがイグナイターと呼ばれる装置に内蔵されています。

仮に、、、

スパークプラグ(&イグニッションコイル)を豆電球の付いたソケット
バッテリーを乾電池
トランジスタをスイッチと考えてください。
(この際、わかりやすくするためにイグニッションコイルの1次だとか2次側で昇圧云々は抜きです)

豆電球のプラス端子を乾電池のプラスに繋ぎます。
マイナス端子はスイッチを介してマイナス端子へ繋ぎます。

スイッチをONすれば電球が点灯(プラグに火花が飛ぶ)
OFFすれば消灯します。
当然ですよね。

これがフルトラ点火装置の基本的な考え方です。

乾電池が古かったり弱ければ豆電球はぼんやりとしか点きません。
乾電池が死んだら豆電球は点きません。
だからフルトラ点火のバイクはバッテリーが弱いと押しがけしてもダメなんです。
パワーも出なくなります。

豆電球が明るく点くように欲張ってワット数の大きいものに変えたり、電池の電圧を無理に上げると、いずれスイッチの接点が焼けて電球は点かなくなります。
これはバイクで言うなら火花を大きくしようと低抵抗のイグニッションコイルを付けると、イグナイターが損傷するのと同じです。
ダイナコイルの色(=抵抗値)を誤るとイグナイターが死にますね、そういうことです。
過充電気味の車両でよくDYNA-SやDYNA2000が死ぬのもその為です。
イグナイターが死ぬっていうのは、つまりイグナイター内部のトランジスターが設定以上の電気が流れて焼損したということです。

そしてON/OFFの指令を出してるのがパルシングコイル。
クランク右エンドのローター突起の位置でピストン位置を割り出し、イグナイターに信号を送っています。

こうやって考えると、ブラックボックス的に思えていた「フルトラ」も実にシンプルな構造だということがわかります。