17インチと倒立は?

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画像は倒立フォークのアウターを加工しているところです。

レプリカ用しか通常は手に入りませんから、ZやJに使うには全く長さが足りません。

そんなわけでオフ車やモトクロッサーの長いアウターを流用してインナーダンパーも加工、全長を補正します。

とまあ、一昔前、オーリンズやWP、アドバンテージSHOWAが入手困難だった時代の話で最近はこんなのも減りました。

画像のZRXもオーリンズのストリート用倒立800mmにワンオフステムです。



延長キットは使いません、剛性が命の倒立にネジ止めの延長キットの意味は・・?

本末転倒な気がします。

厳密に言うとアレは車検非対応なんですよ、法解釈によると・・・ですが。

実際は通ってますけどね。


で、世間一般では未だ都市伝説的に

Zやニンジャ他、鉄フレームに倒立は曲がらなくなる、剛性過多でフレームが終わる。

そういう噂が囁かれています。

実際はどうでしょう?

剛性過多でフレームに影響が及ぶのは、実際在り得る話です。

ノーマルフォークだってZなんて普通に乗っててもネックプレート割れてるし、Jだってちょっと飛ばす人だとネック下サイドのガセットが割れることがあります。

フレームに何か起きても、倒立のせいかどうかは検証できないのが実際のところでしょう。

早い、遅いの差はあっても・・・

私はネック部は縦方向の剛性は有るに越したことはなく、デメリットも無いと考えています。

フレーム全体でみて横方向のしなりはある程度必要だと思いますけど。

Jをちょっと走る仕様にしようぜ、という人にはネック部へ縦方向に3箇所パイプを通します。

これだけでコーナー進入時のフォークの動きがより掴み易くなるし、フルブレーキングからの挙動の変化もコントロールしやすいですからね。

ただ、倒立だから曲がらなくなるとか、倒立だから乗りにくい、跳ねる、振られる、なんてのは実際は倒立だからってわけじゃないのがほとんどなんですよ。

そもそも全長が足りていないものを無理ヤリつけてたり、

フォークオフセットが的違いのものだったり、

ボロいからと外された大昔のレプリカモデルの倒立だったり。

中でもやっぱり一番多いのが油冷GSXR1100の倒立付けてる車両。

あれはイカンですよ、実際。

あんなに動きの渋い倒立フォークは・・・無いですよ。

実際、油冷のってる友人なんかも「使えん」と外してしまいますからね・・・

外してわざわざ89モデルの正立43にしたり、水冷GSXR750/1000の物に変えたり。

そうやって人が捨てるようなフォークをわざわざヤフオクで高値で買って付けるんですから、良くなる筈がありません。

あとは意味不明なのが「フォークのしなり」です。

ノーマルフォークは「しなる」からいいらしいです。

どうなんでしょう?それって?

テレスコピック方式を採用している以上、フォークがしなるとマズイです。

インナーパイプがそんなにしなってたら、フルブレーキング時にサスが動かないですよ・・

曲がったパイプは、ボトムケースには入れません。

でも実際には無理やり出入りしてるんですよね。すごいフリクションを発生しながら。

だからJ系のボトムケースは磨耗するし、メタルもガリガリ減っていきます。

それを解決しようとしたのが倒立フォーク。

剛性が高ければ変形量も少なく、ストロークもスムーズ。

だから本当にイイ倒立フォークはゴツゴツなんてしないし、滑らか、スムーズ、しなやかです。

もちろん、旧いバイクに使うには太すぎてハンドル切れ角やルックス面でかなり好みの別れる部分なので、私もあまり使いたくはないですけど、倒立で曲がって乗りやすい仕様にしろといわれればもちろんイケると確信してます。

個人的には太い正立がワルそうで好きですけどね。





17インチもそう。

振られるとか乗りにくいとかいう車両の手直しを受けると、だいたいの場合が「17インチだから」っていうわけじゃない場合が大半です。

ステアリングステムの取り付けがいい加減だったり、ステムシャフトの圧入に失敗してベアリングの座面が出てなかったり、400用のフォークを無理やり延長して油面だけ上げて誤魔化して使ってあったり、スイングアームピボットが構造を無視した加工だったり、ホイールセンターが出鱈目だったり、終わった中古タイヤを履かせてたり。

タイヤが太いから直線で振られるってのもおかしな話ですけどね。

17インチのハイグリップなんて尖ってて接地面積は対して広くないですよ。

元々タイヤが太いZRXやXJRは直線で振られてコーナーで曲がらないか?と聞かれるとどうでしょう?

ちゃんとつくれば、ちゃんと走りますよ。

もちろん、それと引き換えに覚悟しないといけないデメリットも少々ありますけど。





とまあ、何が言いたかったかというと

「どうせデコレーションバイク作るなら、乗って楽しいの作りましょうよ」って事だけです。

ノーマル派の方には興味ない話だと思いますけど、世の中には私みたいにヒネクレ者も多くいるんです。

旧いバイクは好きだけど、華奢な頼りない細い足はイヤだって人たち。

何と言うか・・・その奇妙な組み合わせ、ハイブリッド感が好きなんですよ。