答
先日の日記に書いた中古車両のメーター戻しについて、ご意見を頂きました。
「現在は車検証に走行距離が記載されているから、250cc以上の車種ではメーター戻しは難しいのでは?」
との内容。
確かにご指摘の通り、数年前から不正防止の為にメーター距離は車検時に検査官の目で確認され、記載されるようになった。
これで随分とメーター戻しは減るはずでした。
しかし、現実には・・・そうではありませんでした。
中古車チェーン店に勤める後輩からこの耳で直接聞いた実話です。
実例①
新車を販売し、3年目に初検を迎える際、検査を受ける前に車両売却する人が意外に多い。
新車から1~3年落ちの高年式車両の場合は車検証に走行距離が記載されていないので、事実上メーターは巻き戻し放題。
現実にCBR1000RRを25000kmから8000kmにメーター改ざんしてもバレませんでしたよ、との事。
また、一度走行距離が記載された車検証でも、不正は起こっている模様。
実例②
前回車検時に10000kmで車検証に記載され、その後2年で20000km乗ってトータル30000kmとなり、ぼちぼちくたびれてきたし・・・ということで車検を受けずに売却/下取りに出された車両。
こういうのをまた10000km~12000kmに戻す。
そうすると、車検証に記載された数値のせいでこの数値に信憑性がついてしまう。
よって業者オークションでは、フレーム番号と走行距離を記録して、不正を未然に防ぐ努力はしているものの、上記のような場合は防ぎようが無い。
また仮に走行距離監視システムにひっかかっても、その情報がユーザーまで届くことは稀なのも事実。
そしてメーター戻し=悪質販売店の行為という図式も昔の話で・・・
今はユーザー自身が売却時に査定額を上げる為に改ざんしたり、某大手買取専門店も、オークション出荷前に改ざんしているのでは?との疑惑も業界では囁かれている。
中古車選びは慎重に。
行きつけの店のデモ車/試乗車落ちだったり、知り合いの常連さんの下取り車の場合には心配ないだろうけど。
こういう「人対人の信頼関係」が築けるお店って、無機質な大手チェーン店には無い、個人経営のお店の一つの売りだと思う。
個人的な昔からの持論だけど、現行車はわざわざ中古で買う必要なし!
新車で買える内は新車を買うのが一番。
ちなみに自分は10年ほど業界に居ましたが、在籍中、不正目的のメーター戻しの作業は一度もしませんでした。
お客さんに依頼されて、壊れたメーターを新品に交換、数値を元の数値に合わせて欲しいとのリクエストに応え数値を増やした事は幾度もありますが・・・
あくまでも私自身は、の話です。
店舗自体、業界自体がどうだったかは知りません。
まあ、この辺りが仕事を辞めたくなった要因の一つでもありますが。
「儲かれば何したっていいだろ!食ってく為にはしょうがねえんだよ!」
って発想は、まだ子供だった自分には受け入れられなかったんですね・・・・
今はまあ、そういう業界だったんだなって「遠い目」で客観的に見られるけど。
儲からないからこそ良い物だけを、本物だけを扱いたかったし、それが自分たちを信じてくれていたお客さんに対してのあるべき姿勢だと思っていたので・・・。
それでもまだ全国には魂の腐っていないショップは生き残っていると思います。
熱い志を捨てない人、正しい道を進み続ける人、そういう店主を私も知っています。
そういう人たちが馬鹿を見ないように・・・
我々ユーザーも考えていかないといけない。