クランクいろいろ

某リビルトクランク、Z1ベース。
 
といってもオーダー時に色々と仕様変更が出来ます。
 
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上のほうがウェブの軽量化、重量合わせ、エッジ加工、芯出し後、ピン溶接を施したもの。
 
したは通常O/H+芯出し後、ピン溶接。
 
細部を見ると
 
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別車種?ってくらい形状変わっています。
 
ちなみにオーダー時にはセンターピンを15Tから16Tへの変更も可能。
 
Z1100RやJ系のクランクベースにセンターピンのみZ系に変更することも可能です。
 
オールビレットクランクも売られていますが、個人的には純正品ベースの加工品がよいと思います。
 
 
クランクの加工についてはアレコレと意見がありますが、個人的には「アリ」です。
 
実際、mk2以降のクランク、J系全般は折れることはないけどパワー出してブン回せば、確実に少しずつずれて来るので。
 
「おい、そんな不安煽るなよ!俺のはまだ大丈夫っぽいぞ!」
 
といわれる方も多いでしょうけど、測ってみるとそこそこ普通に乗っていたエンジンでもズレてますからね・・・実際。
 
それに目視で上死点が少しずれてるのがわかるくらいでも、エンジンって普通に回ります。
むしろそのゴロゴロ感を「味」と勘違いする人も。
 
勿論、きっちり芯出ししたクランクと比較すれば高回転域でのスムーズさは比較するまででもないですが。
 
まあ、この辺りのトラブルは、スズキがGS1000の組み立て式クランクの耐久性で苦戦して、カタナ1100からはクランクピン溶接をメーカー出荷時に施すようになった経緯を見ても明らかだし、
以降、オートバイの多気筒用クランクで組み立て式のものは無くなった事を考えると、納得できる部分。
 
ただ、クランクの加工に否定的な人、お店の言い分もよくわかります。
 
何故ならいい加減な加工屋さん、ショップが多すぎるから。
 
Vブロックで左右を受けて、ダイヤルゲージで各ベアリングのフレを測定、規定値内ならピン溶接・・・
はい、一丁上がりって、そんなのは芯出し加工ではありません。
 
芯出しってのは曲がりやフレを見るのは勿論ですが、各気等の位相角をきっちり出すのが芯出しです。
 
また、ピンの溶接はTIGで行いますが、本当のクランクの素材に適した溶接を行っているかどうか?
 
溶接棒の種類は?予熱の有無は?
 
下手な処置をすると後々、溶接ビードがことごとく割れます。
 
実際、これまで何度もそう言うクランクを自分も目にしました。
そういうクランクしか知らなかったら、完全に加工否定派になってると思います。
 
けど、本当の処置をしたクランクは別です。
 
例えば今でも手に入るJ系ポリス新品クランク。
これと中古品ベースのFALCONリビルトを比較測定したことがあるのですが・・・
何と精度の面ではリビルトの方が上でした。
むしろ新品クランクが意外とアバウトな精度で作られていることに驚き・・・
 
アメリカ人をなめてました。