油圧

ちょいちょい定期的にある話。

自分でZのエンジンをフルオーバーホールしたんだけど、組み上げて油圧測ってみたら油圧が無い!
何を組み間違ったのか心当たりがない、どうすりゃいいんだ。

みたいな話。

特にクルマの整備経験のある方に多い話です。

初めに断っておきますが、Zの油圧って本当に限りなくゼロに近いです。

ところが一般的なバイク、クルマのエンジンの油圧は2~7キロ位あります。

それ用の一般的な油圧計で測定しても、Zのエンジンみたいな低圧では油圧計がゼロのまま無反応というわけです。

油圧がそんなに低いのに何でカムが焼けないのかとか色々言われますが、油圧は限りなく低くても、流量があるのでカム周りはきちんと潤滑されています。
逆にニンジャなんかは油圧はあっても流量が少ないので適切な扱いをしないとカム周りは潤滑不良を起こします。

Zのエンジンに限らず、クランクシャフトをローラーベアリング支持しているエンジンでは油圧は1キロ以下というのは珍しくありません。
GS、カタナなんかも同じくです。

これに関連して、誤った認識をされているのがオイルクーラーのコアサイズ。

アサイズが大きすぎて油圧が低下し、焼きついた…なんて都市伝説的な話を一度は聞いたことがある人もいるかもしれませんが、常識的コア/ホースサイズを使用し、適切なオイルラインのレイアウトを守る限りそのような事にはなりません。
逆に段数の少なすぎるコアや細すぎるオイルラインを使用した場合、見かけ上の油圧は上がっても単にオイル通路として考えれば、絞り、抵抗でしかないのでリリーフバルブが開きっぱなしになり、結果的にオイル供給量は減ります。

どんなエンジンでもそうですが、油圧があるからオイルは十分に供給されている、とは一概には言えません……。
(油圧は測る部位も重要です)